おもてなし料理にかかせないのがその周りを彩るテーブルコーディネートです。
お皿はもちろんですが、テーブルクロス、カトラリー(ナイフやフォークなど)、お花や小物など、しっかりとしたテーマを持って揃えることで、お料理が引き立ち、会話の弾む空間を作り出すことができます。
季節とメインのお料理、シチュエーションを考えることがキホン
さてコーディネートを考えていくわけですが、まずは季節、メインのお料理、そしてシチュエーションの確認をしておきましょう。
これらがしっかりと定まっていないとテーブルコーディネートを決めていくことはできません。
季節やお料理でテーブルコーディネートが変わるのはイメージが湧きやすいと思いますが、シチュエーションを想定するのが実はとても重要なんです。
大切なお客さまとのお食事会ならテーブルクロスを敷いてフォーマル感を演出したほうがいいですし、もっとカジュアルなお客様を迎える場合は、ナプキンを布ではなくペーパーナプキンにしたり、プレースマットをつかってみたりして「軽い」感じにまとめたほうが無難です。
お客様にお子さんがいらっしゃるなら柄のないグラスを、年配の方がいらっしゃるなら、ナイフやフォーク以外にお箸も用意してあげるといった気遣いも必要です。
今回は大切なお客様をお迎えするという設定で、南インド料理であるカレーをメインディッシュにすることにしました。エスニック料理なので季節はあまり気にしないでコーディネートしています。
①お客様はどんな方? 相手に合ったテーブルコーディネートを考える
②メイン料理はお客様みんなが食べられるものを
③フォーマル感を出すならテーブルクロス、カジュアルなときはプレースマットを
テーブルクロスとメインのお皿の色を決める

色が鮮やかな料理では、それを引き立たせるお皿を使います
季節、お料理、シチュエーションがしっかり定まったら次にテーブルクロス(もしくはプレースマット)の色を決めます。
テーブルクロスの色はテーブルコーディネートの土台になるので、まずはこれを決めないと先に進めません。
今回は大切なお客様を迎えるシチュエーションであること、イギリス文化の影響を受けているインド料理を扱うということで、フォーマルな白のテーブルクロスを選ぶことにしました。
次はメインのお皿選びです。
これはテーブルクロスの色とメインディッシュのお料理に合わせやすいものをチョイスすると簡単です。
今回のメインディッシュはレンズ豆とほうれん草のカレーと海老とココナッツジュースのカレーをパスマティライス(インド料理に使われる米)と一緒に供するお料理です。
色が鮮やかなので、それを引き立たせるために黒いお皿を使うことにしましょう。
④テーブルクロスの色を最初に決める
⑤テーブルクロスとメイン料理の色合いでお皿を選ぶ
テーブルクロスはシンプルな白、紺、ベージュなどを持っているとさまざまなシーンに応用できますよ!
お皿の選び方は、「料理がおいしく見える食器選びのコツ 」を参考にしてくださいね。
3~4色に絞ったほうがうまくいく!色を追加するときのコツ

メインとなるお皿の色が白と黒に決定

インドといえばゴールド! 金色のラウンドプレートを使い、オリエンタルテイストを演出

ナプキンは、ゴールドと相性がよく、カレーのシミが目立ちにくい色をチョイス
ベースとなるテーブルクロス、メインとなるお皿の色がそれぞれ白と黒に決まりました。
このままでもシックでかっこいいですが、インド料理という雰囲気がないので色を足していきましょう。
インドといえばゴールド、ということで金色のラウンドプレート(お皿の下に敷くお皿)を使ってみました。一気にオリエンタルテイストが出ましたね。
あとはナプキンですが、ここではグレーのものを使いました。ゴールドと相性がいい色ですし、メインディッシュがカレーなのでシミが目立ちにくい色が良さそうです。
カトラリーやナプキンリングにはここまでで使った白、グレー、金のものをチョイスしています。
カラフルなテーブルコーディネートも素敵ですが、慣れないうちは色を3~4色に絞ったほうがうまくまとめやすいのでオススメです。
①お皿を重ねる
②お皿やナプキンなどのカラーはテーブルの上で3~4色に絞る
③ナプキンやペーパーナプキンの色が濃いほうが汚れが目立たず使い勝手が良い
上級者向け!テーブルを彩るお花や小物を用意する

オブジェはお客様が見えづらくては意味がないので、目線に合うようにガラスキューブで高さを調整。ガラスキューブはコーディネートに高低差をつけられるアイテムなので、持っておくと便利です
テーブルを彩るのは料理や食器だけではありません。
お花やコーディネートのテーマに沿った小物を添えることで、華やかでお洒落な、特別なテーブルを演出することができます。
今回は季節を問わないコーディネートなので、お花は使わず、少しドライな素材を使ってインドというテーマを表現してみました。
ラウンドプレートでも使った金色の縁取りの入ったガラスケースに、香辛料の国・インドをイメージしてレモンリーフと唐辛子を詰め込んだオブジェを作りました。
全体的に落ち着いた色調になっているので、唐辛子の赤がいいアクセントになっています。
同じお皿や小物を使っても、工夫次第でまったく異なる印象に!

同じ白のテーブルクロスに黒のお皿をメインにした別のコーディネート例もご紹介します。
これはお正月をイメージした和のコーディネートですね。
使っている黒のお皿は同じものですが、今回はその上に伊万里柄の和食器を重ねる「お皿の重ねづかい」というテクニックをつかっています。おもてなし感がアップするので、お祝い事など特別なシチュエーションで使うと効果的です。
カトラリーも同じものを使っていますが、ナイフフォークレストが白になっているのでだいぶ印象が変わっていますよね。
江戸千代紙で折った鶴もガラスキューブをつかって高低差をつけることで、ただ机に並べるよりもぐっと華やかで活き活きとした感じに見えます。
このように同じメインカラーで同じ小道具を使い回しても、色の配分や置き方を工夫すれば、インド料理とお正月料理という正反対なシチュエーションに対応することができるわけです。
今回はテーブルコーディネートを1から組み立てていく考え方や色の選び方、小道具の使い方などについてお話ししました。
いろいろな種類の食器や小物をそろえるのは難しくても、お花や折り紙などで大きく印象を変えることもできます。ぜひ試してみてくださいね。
次回は、季節のお花の使い方やソーシャルディスタンスを意識したテーブルコーディネート例をご紹介しようと思います。
フードコーディネーター 進藤由美子さん
フードコーディネーター、テーブルコーディネーター、料理撮影スタジオ経営を経て、2002年より料理教室「Cooking Studio Y」を主宰。国内や海外で食関連の知識や情報を長く研究し、その成果を毎月のレッスンで発表する季節の創作料理に生かしている。 大人の遊び心にあふれた自由な発想のテーブルコーディネートにも定評があり、日々の食卓に新しい彩りを添えるヒントやアイディアとともに、笑顔の広がる豊かな食空間と時間を提供する。 著書に『eat well and laugh often』、『明日もサンドイッチ』(ともにCooking Studio Y Cookbook)がある。