“安くて良い”モノづくりに定評のあるツインバード工業が、2018年10月に“高くて良い”全自動コーヒーメーカーを発売しました。the360.life編集部でも、もちろん自腹購入。届いたその日から2ヶ月間、ほぼ毎日使用したレポートをお届けします。
「プロのハンドドリップ」を再現するマシンなのです
2017年に無印良品が「豆から挽けるコーヒーメーカー」(発売当時の価格は税込み3万2000円)を発売して以来、3万円を超える高級コーヒーメーカー市場がにわかに活気づいています。

ツインバード工業
全自動コーヒーメーカー
CM-D457B
実勢価格:3万5800円
サイズ:幅16.0×奥行き33.5×高さ36.0cm
重量:4.1kg
抽出量:1~3杯(定格容量450ml)

全自動コーヒーメーカーとしては比較的小型です。メニューダイヤルは前面に集約されており、

電源スイッチだけが側面についています。

水タンクは本体後方にあり、取り外しはできないタイプです。

豆または粉から淹れることができ、ミルだけを使うこともできます。豆の挽き具合は粗・中・細の3段階、抽出温度は83℃・90度の2段階、カップ数は1~3杯。

本機最大の魅力! と言っても過言ではないのは「コーヒーができるまでの過程が見える」構造であること。
本機の監修は、日本が誇るコーヒーレジェンド、東京・南千住にある「カフェ・バッハ」店主の田口 護さん。豆量・粒度・水量・湯温・蒸らし時間など、コーヒーを淹れる各工程をプロの所作で再現できるよう、設計されているそう。

いやー懐かしいです。ちなみにこちらの評価は2007年当時のものです。お間違いなく笑
無印の人気コーヒーメーカーも同じツインバード社製です
無印良品の「豆から挽けるコーヒーメーカー」も、製造は同じツインバード工業です。

無印良品
豆から挽けるコーヒーメーカー
MJ-CM1
実勢価格:2万4,900円
サイズ:幅14.5×奥行き28.5×高さ34.5cm
重量:4.4kg
抽出量:1~3杯(定格容量520ml)
無印らしいシンプルなデザインが人気を呼び、一時は入手困難に。さっぱりとした薄味で飲みやすく、筆者宅でもしばらく愛用していたのですが、次のような難点がありました。
できあがるのを待つ時間が楽しいコーヒーメーカーです
購入以来、本当にほぼ毎日使っているので、写真にうつっているマシン本体やガラスサーバーに使用感があり恐縮ですが、実際に使ってみてどうか、というレポートをお届けしたいと思います。

最大容量は3カップ(450ml)。コーヒー1杯を淹れる場合は、計量器ではかる(150ml)か、専用ガラスサーバーの目盛り「1」のところまで水を入れます。

今回はメリタの「ペーパーフィルター ナチュラルホワイト 1×2」(100枚入り・実勢価格355円)を使用。


まず側面を折り、次に底の部分を側面と逆方向に折ります。

フィルターを折らずにそのままセットすると、こんなふう↑に隙間ができ、ドリッパーから浮いてしまうのですが…

2箇所折ると、ドリッパーにぴったりとフィットします。
③コーヒー豆/粉を入れます
ミルのふたを開けて、コーヒー豆を入れます(粉の場合はペーパーフィルターにコーヒー粉を入れます)。

付属の計量カップには「深」(深煎り)、「中」(中煎りでコクを増すとき)、「浅」(浅煎り、中煎り、中深煎り)の3種類の目盛りがあり、豆の煎り方とカップ数に応じた量を入れます。

今回は「浅」で1カップ分(取扱説明書に記載の目安量:16g)の豆をセットしました。

⑤挽き目を選択します
ダイヤルに書かれた丸い印が挽き目の大きさをあらわしており、左から「細挽き/中挽き/粗挽き」になっています。

今回は「中挽き」にセット。

本体に同封されていた「GUIDE BOOK」によると、「83℃の湯温は、すべての焙煎度に向く適温」、「90℃の抽出は、しっかりとした味と苦味が立ちます」とのこと。

無印良品「豆から挽けるコーヒーメーカー」のほうが圧倒的に動作時間が長く、回転音も大きいのかと思っていたのですが、計測してみたところ……


あらためて両者の音を聞き比べてみると、ボリュームというよりは音質に違いがあることがわかりました。

⑨できあがりです
ピピッと音が鳴り、完成です!

タンクには150mlの水を入れましたが、抽出されたのは約130mlでした。取扱説明書にも「コーヒーの粉が吸水するため、コーヒーの抽出量はガラスサーバーの目盛りよりが少なくなります」という記載がありました。

⑪電源スイッチをオフにします
保温のオンオフは自動ですが、本体の電源は自動でオフにはなりません。保温時間が終わったら電源を切りましょう。

しばらく忘れていると、こんなことに。ひゃー。

粉がついたままにしておくと、コーヒーメーカーの周りが粉だらけになったり、ふとしたはずみで、できたてのコーヒーが入ったカップの中に粉が入ってしまったり(涙)。

淹れ終わった直後なら湯気による水滴もついているので、粉がパラパラと飛び散ることなく、ササッと拭き取れます。
さて肝心のお味は?専門家の評価は◎でした
月刊誌『家電批評』にて長年コーヒーメーカーのテストにご協力をいただいている、カフェズ・キッチン学園長の富田佐奈栄さんと、コムスペース代表の中川恵介さんに、このマシンで淹れたコーヒー(ブレンド豆)を試飲していただきました。
「しっかり苦味を感じますが、後味がスッキリとするブレンドらしい味わいです」(富田佐奈栄さん)
「全体的に美味しく感じます。香りもしっかり立っていますね」(中川恵介さん)

<味・香り>
まさに喫茶店のマスターが淹れてくれたコーヒーのような、濃厚な味わい。ドリップ中に漂っていた良い香りがそのまま、カップの中からたちのぼってきます。美味しい~!
<温度>
前述のとおり、できあがりの温度は65℃前後。できたてを冷まさずにすぐ飲むことができる温度です。アツアツ派には物足りないかもしれませんが、筆者には適温に感じます。
「ミル機能だけ」を使うこともできます
メニューダイヤルは左から「豆から/粉から/ミル/メンテナンス」となっており、ガラスサーバーとドリッパーをセットして「ミル」(ギザギザのマーク)を選択すると、豆だけを挽くことができます。

スタートボタンを押したあと、豆の量にかかわらず5分で自動停止しますが、それまではミルが動作し続けるので、挽き終わったところで自分でボタンを押して止めます。
普段は全自動の便利さにどっぷりと浸かっていても、たまにはハンドドリップしたくなることもありますよね。そんなコーヒー好きの気まぐれにも応えてくれる懐の深さも、このマシンの魅力のひとつです。
メンテナンスのしやすさは?(ミル編)
毎日のように使っていると、気になってくるのがメンテナンスですよね。まずはミルに日々溜まっていく粉の掃除から。左右にある着脱ボタンを押しながら引き抜くと、ミルが外れます。

付属の「お手入れブラシ」で本体のミル固定部をこすると、コーヒーの粉がパラパラと。下に皿を置いてキャッチします(皿は付属品ではありません)。

続いて、ミルの表面についた粉をブラシでしゃっしゃっ。

ミルカバーを回して、内部の粉も落とします。ミルの刃は金属加工の街・燕三条地域のステンレス製で、この形状は独自設計なのだそうです。

本体のミル固定部とミルあわせて、これだけの粉が取れました。

ミルを外して掃除をするなんて大変そう……とつい腰が重くなっていましたが、いざやってみるとミルを本体から外すのもミルを開けるのも簡単で、あっけないほどスンナリと終了。
メンテナンスのしやすさは?(水タンク編)
見た目よし味よしで、概ねとても気に入っているこのマシンですが、電源の位置以上に残念に思っているポイントがひとつ。それが「水タンク」です。

この写真は、本体を上から見たところ。写真右側にある四角いものが水タンクのフタなのですが、細長い機体の奥のほうについているので、中の様子を覗きにくい。さらに、取り外せないので、自らの手で洗うことができないのです。

これが洗浄前のタンクの様子。底に、うっすらとした斑点のようなものがついています。中央にある突起の網目も黒ずんでいました……。

3カップ分の水が入った水タンクに、小さじ1杯(約5g)のクエン酸を入れ、箸などでよく混ぜます。

ちなみにカネヨ石鹸の「クエン酸くん」(500g・648円)を使用しています。

取扱説明書によれば「汚れがひどいときは、電源スイッチをオフにし、このまま約12時間放置してください」とのこと。そのとおり、12時間放置してみました。

水と一緒に、細かな茶色い粒が出てきました。コーヒーの粉らしきものと、アカのようにも見えるものが混ざり合っています。取扱説明書にはこの排水作業を「水道水だけで3~4回繰り返します」とあり、水道水で4回やってみました。

しかし、とれた水アカなのか、黒っぽい粒状のかけらが3つほど残っているのが見え、これらを流すべく、もう少し排水をしてみることに。

水道水だけで4回目に排水したとき以上に茶色の粒が出てきました。ほとんどコーヒーの粉のようで、お湯の色も茶色がかっています。その後、水を換えて湯沸かし→排水を2回繰り返し、やっと茶色の粒が出なくなり、お湯の色も透明になりました。
【まとめ】価格は高いですが迷っている方は「買い」です!
ツインバード工業の全自動コーヒーメーカーの使い勝手をレポートしてきましたが、いかがだったでしょうか。