夏に食べごろを迎える桃。香り高くジューシーな味わいで、大人から子どもまで幅広く人気のある果物ですね。ひと口に桃といっても、品種によって旬の時期や味わい・食感もさまざまです。今回はそんな桃の旬について詳しく解説、おすすめ品種も8つご紹介します。
いつが食べごろ?桃の旬の時期と名産地

桃の旬と収穫時期
桃は品種がたいへん多い果物で、その旬の時期にも幅があります。農林水産省の品種登録データベースでは、なんと298種ものモモ種が登録されています(※1 / 2019年5月調べ)。
桃の収穫時期は大きく分けて早生・中生・晩生の3つに分けられます。一番早いものは5月くらいから店頭に並ぶ「極早生種」になりますが、量はまだわずか。最盛期は7~8月で、多くの品種が食べごろを迎えます。さらに晩生種では9月の終わりから10月に差し掛かる頃までと実に幅があるのです。
時期こそ長いものの、みずみずしい桃を食べるなら夏〜秋のタイミングが一番!旬を逃さず季節の味わいを楽しんでくださいね。
桃の産地は山梨、次いで福島が半数
桃の産地は、例年山梨県、次いで福島県。この2県が半数以上の生産量を誇っています。ほかに長野県や山形県、西日本では岡山県や和歌山県でよく作られています。(※2)
そのほかの地域でも少しずつ作られていて、果物の産地として有名なところが産地となっています。旅行先などで、今まで見たことのない品種の桃に出会うかもしれませんね。
おいしい桃の選び方・保存のコツ

おいしい桃の選び方
形が左右対称で色がキレイな紅色のもの、枝がついていた側がやはりキレイな白い色をしているもの、そして香りがいいものを選びましょう。黒ずんだ紅色のものはよくありません。
表面に細かいひび割れ模様ができていることがあります。見た目はよくないのですが、太陽がよく当たった証拠で、おいしいことが多いようです。
桃の保存方法と食べ方
暖かい時期に実を結ぶ桃は、冷蔵庫に長く入れないほうがいい果物です。
まだかたい桃は、常温で保存しましょう。しばらくすると追熟してやわらかくなります。やわらかい桃は、あまり保存がきかないので早めに食べるのがおすすめ。冷蔵庫で保存したい場合は、ひとつずつ紙に包んで、ポリ袋に入れて野菜室へ。
常温の桃は、食べる1~2時間前に冷やすようにしましょう。食後のデザートでいただく場合は、ごはんを作る前に冷蔵庫に入れておくとちょうどよく冷えますよ。
桃の切り方

桃の切り方はいろいろな方法があります。ここではかたい桃でもやわらかい桃でも、失敗なく切る方法をご紹介しましょう。
手順
桃を洗って手に持ち、種にしっかりあたるように包丁を半周入れます。
最初の切り込みから少し離して、同じように種にあたるように包丁を入れます。少し斜めに入れると、このあと取り出しやすくなります。
包丁を入れたまま、ひと切れ目をえぐるように取り出します。りんごのくし形切りのような形になります。
同じように、包丁を入れて取り出すことを最後まで繰り返します。最後のひと切れは、種を切り離すようにしましょう。
最後に皮をむきます。かたい桃の場合は、先に皮をむいておいた方が切りやすいです。
【白凰】おすすめ品種と特徴

白鳳は、7月中旬~8月上旬に出荷のピークを迎えます。酸味が少なく果汁が多く、上品な甘さがあります。果皮は鮮やかな紅色、果肉は白くやわらかです。ジューシーで果汁たっぷりの甘い桃といえば、白鳳系の桃になります。
早生品種の白鳳!「日川白鳳」
6月下旬~7月上旬が収穫のピークとなる、早生種の白鳳。桃の中では4番目に多く作られています。おもな産地は山梨県で、全体の半分強を生産しています。
果皮はやや黒っぽい紅色。果汁たっぷり、とろけるような舌触りの甘くジューシーな桃です。ひとつが200~250gと大きめなので、食べごたえもばっちりですよ!
日持ちがいい桃ならこれ!「長沢白鳳」
長沢猪四重氏が育成したので、その名をとって長沢白鳳と名付けられた品種。生産量は多くありませんが山梨県が主な産地で、8月上旬頃に生産のピークを迎えます。ややかためなので日持ちがよく、お供え物にも向いています。
酸味がおだやかで、甘さ充分の桃です。追熟させるとさらに甘くなりますよ。しっかりめの果肉なので、コンポートやジャムなどのお菓子作りに使ってもいいですね。
【白桃】おすすめ品種と特徴

白桃は、明治時代 岡山県で大久保重五郎氏により発見された桃です。実は日本の桃の祖はこの白桃で、ここから白鳳やあかつきといった品種が生まれました。白鳳同様、果汁たっぷりのジューシーな味わい。果皮は紅色のものから白っぽいものまであります。
生産量第3位の人気品種!「川中島白桃」
長野県、福島県、山梨県、山形県の4県で、全体量のほぼ8割を生産。「あかつき」「白鳳」に次いで、3番目に多く作られている、人気の品種です。生産時期はやや遅く、おもに8月中旬~9月上旬です。
果肉はかためで日持ちします。やや大玉で、1玉が250~300gくらいになり、果肉もしっかりめで食べごたえがあります。生産量が多いため、価格がお手頃なのも嬉しいですね。
蜜のような甘み「水蜜桃」
蜜のような甘さとやわらかい身質から名付けられた「水蜜桃」と名付けられた品種。福島県や長野県で多く生産されている、中生種(7〜8月)の白桃です。
高貴な味わいでありながら日本ではかなり古くからある品種で、桃の代名詞として「水蜜桃」という言葉が使われます。日持ちしやすいので贈答用にもおすすめです。
桃の女王といわれる桃「清水白桃」
岡山県のブランド桃です。果皮は白く、ほんの少ししか色づきません。中の果肉は真っ白で舌触りなめらか、甘くジューシーな果汁がたっぷり。上品な見た目と味で「桃の女王」といわれる桃です。
おもな産地は岡山県ですが、和歌山県でも作られています。7月下旬~8月上旬がおもな収穫時期。白く優美な桃なので、大切な人への贈り物にもぴったりです。
【黄桃】おすすめ品種と特徴

その名の通り、果肉が黄色い桃が黄桃です。従来は缶詰用に加工されることが多い品種でしたが、最近は品種改良が進み、生食用の黄桃が出回るようになりました。白鳳や白桃に比べると、ややねっとりした舌触りで、濃厚な甘さがある桃です。
黄桃の代表品種「黄金桃」
長野県で、川中島白桃から偶然できたのが黄金桃です。芳醇な香りと、黄色く緻密な果肉が、まるでマンゴーのようです。別名、ゴールデンピーチ。表皮は黄色いのが特徴ですが、中には白桃と同じように紅色のものもあります。
晩生種で、生産時期は8月下旬~9月いっぱいとなります。産地は、原産となった長野県が全体量の半分を占めています。マンゴーが好きな方は、ぜひ一度食べてみてください。
桃×マンゴーのミックス味!「黄貴妃」
福島市の畠直七氏が、白桃「ゆうぞら」から自然交雑実生で育成した品種です。品種登録されてまだ20年ほどの新しい品種になります。黄金桃よりもややかための果肉ですが、ジューシーで、桃とマンゴーを合わせたような味わいです。
出回る時期は黄金桃よりもさらに遅く、9月中旬ごろから。日持ちしますので、贈り物にも向いています。
生産量わずかの希少品種!「スウィート光黄」
黄貴妃よりもさらにかための桃です。表皮も中の果肉も黄色く、果肉はしっかりしています。かたいのに甘く、果汁たっぷり。もちろん追熟させてやわらかくして食べることもできます。
生産時期は、晩生種の黄桃の中では比較的早めで、8月中旬から。2001年に品種登録された、黄貴妃よりもさらに新しい品種なので、生産量は多くなく、とても珍しい桃です。
品種による違いを味わってみよう!
桃の選び方、保存方法、品種についてご紹介してきました。桃にはたくさんの品種があり、それぞれに味や食感が異なります。近くの産地のものだけでなく、希少品種や遠い産地の桃はお取り寄せして、食べ比べてみるのも楽しいですね。
夏の果物ですが、時期によって出回る品種も次々と変わっていきます。桃といえばやわらかいイメージですが、かための桃は日持ちもよく、お中元やお盆のお供えにも最適です。ジューシーな桃をたくさん食べて、暑い夏を元気に過ごしましょう!