フードロスを解消するために、私たちはなにをしていけばいいのでしょう。去る8月、macaroni編集部が参加してきた“エンターテイメント型フードロス解消イベント”「クリエイティブ・クッキング・バトル」。その内容を知ることが、問題解決の方法を知るきっかけになるかもしれません。
決戦の火曜日!クリエイティブクッキングバトルに参戦
去る2019年8月13日(火)は、私たちmacaroni編集部のスタッフ(一部)にとっての決戦の日でした。
昨年第1回が行われ、今年が2回目となる“エンターテイメント型フードロス解消イベント”「クリエイティブ・クッキング・バトル」、予選 第2試合の開催日がその日だったのです。
クリエイティブ・クッキング・バトルって?
正式な開催は2度目というイベントですから、昨年の盛り上がりを知らない方も多いのでは。クリエイティブ・クッキング・バトルとは、ひと言でいえば料理バトル。3〜4名からなる複数のチームが制限時間の中で料理を作り、優劣を競います。
ただし、審査の対象となるのは味ばかりではありません。
このバトルでは、家庭で余っていた食材を各チームのメンバーが持ち寄り、その場で分配、その場に用意された調味料のみを使って45分の時間内で料理を作ります。審査基準は、おいしさ、見た目、アイデア、そして残った生ゴミの量。
ルールを見て、私たちmacaroni編集部員もこのイベントに興味を持ちました。フードロスが大きな社会問題として取りざたされる現代です。グルメメディアのスタッフとしては、これはぜひとも参加したい。
macaroni編集部チームの精鋭たち
参加表明した4名。元パティシエ、ブランドマネージャー、料理(歴15年)男子、野菜ソムリエの資格持ちと、なかなかの精鋭ぞろいです。
専属の料理家も複数在籍しているmacaroni編集部ではありますが、今回はそうしたプロの手を借りずに挑戦。とはいえ、侮るような気持ちなく、どのメンバーも真剣そのもの。もちろん勝つ気はマンマンです。
クリエイティブ・クッキング・バトル、開戦!
料理バトルの会場となったのは、東京・恵比寿ガーデンプレイスにある、クックパッド(株)本社のキッチンラウンジ。
macaroni編集部(トラストリッジ)チームの対戦相手はTHE_B、3ミニッツ、バロックジャパンリミテッドの3社。競技をはじめる前に各チームの代表者があいさつをしたのですが、食のプロ、前回大会参加者がメンバーとなっているチームもあり、負けず劣らずの強豪ぞろいです。
食材分配は早いもの勝ち
今回、macaroni編集部チームのメンバーが持ち寄った余り物がこちらです。
ホルモンの缶詰、はるさめ、カップスープ、オイルサーディン、そば、ツナ缶、生しょうが、ハリッサ(!)と、料理に使う食材としてはとがったものが多数を占めています。実は、自チームのメンバーが用意した食材は使えないというルール。これらが他のチームによってどう生かされるのか、気になるところです。
参加チームが持参した余り物をテーブルにまとめ、いっせーのせ!で動き出した各チームが奪い合うことで食材の配分が行われます。
5分間の作戦会議が終わり、合図とともに各チームのメンバーが一斉に走り出しました。男女入り乱れてテーブルの上に飛びつき、食材を奪い合います。
奪い合いがひと段落した後、どのチームにも選ばなかった食材がランダムで配られ、最終的に確保したのが上画像の食材(パプリカ、ズッキーニ、なす、アボカド、白菜、牛乳、チーズ、卵、コーンスープの素、タイカレーペースト、カレー粉、そば、えび、豆腐、豚ひき肉)です。
種類も量も十分。問題は余さず使い切れるかどうかです。たとえば白菜などの大きな野菜は使い切るのに骨が折れそう。
2度目の作戦会議の結果、macaroni編集部チームの方針は「レンジを活用する」に決まりました。制限時間を意識して、効率良く調理しようという考えです。加熱にレンジを使う時短料理はmacaroniでもよく取り上げていますが、仕事で蓄積したノウハウを生かすことはできるのでしょうか。
制限時間は45分!バトルスタート
公式MCのクック井上さんが前に出て、バトルのスタートを宣言しました。
事前に割り振られたキッチンスペースへ走り出す各チーム。目的の場所にたどり着くなり食材を広げ、下ごしらえを始めます。
オーブン、ミキサーなどの大物調理家電はもちろん、包丁やまな板も人数分はありません。いろいろと縛りのある状況、どこもかしこもバタバタとして、作ろうと決めた料理をそろえることさえ簡単ではなさそう。
それでも、メンバーと声を掛け合いながら、協力して調理を進めていく4チーム。グループで料理をするのははじめてという参加者が多いはずですが、どこもなかなか息が合っています。
残り時間10分を過ぎて、ようやく完成した料理をテーブルに並べていくmacaroni編集部チーム。他のチームも続々と料理を仕上げはじめています。
残り10秒からのカウントダウンが進む中、macaroni編集部チームのメンバーが最後の料理を急いでテーブルに置いたところで、ついにタイムアップ。ドタバタの熱戦に終止符が打たれました。
完成した料理はどれもおいしそう

各チームの創意工夫工夫で完成した料理の数々。画像内左上が3ミニッツ、右上がmacaroni編集部、左下がバロックジャパンリミテッド、右下がTHE_Bの料理です。
どの料理もおいしそう。これらすべてが余り物だけで作られたとは、調理の現場を見ていなければとても信じられません。
ちなみに、もっとも多い7品を作ったのがmacaroni編集部チーム。献立は以下のとおりです。
・エスニックナスそば
・そばの野菜ガレット
・夏野菜のカレー炒め
・夏野菜とエビのガスパチョ
・アボカドとチーズのムース風
・高野豆腐のクリームグラタン
・白菜のシューマイ
手前味噌的ですが、これらをわずか45分で作った事実に驚かされました。これがレンジを使って効率良く調理を進めた結果なら、まさに作戦通りです。
結果発表!macaroni編集部チームの順位は…
長々と語ってきましたが、4チームが死力を尽くして戦った結果がこちら。
macaroni編集部チームは……、4チーム中4位という成績でした。

勝敗を分けたのは生ゴミの量。
右上のmacaroni編集部チームの生ゴミ、他と比べると明らかに量が多いのがわかります。もっとも生ゴミが少なかったのは、18gという異次元の数字を叩き出したTHE_B。153gだったmacaroni編集部チームの約10分の1という圧倒的な生ゴミの少なさ……、素直に脱帽です。
というわけで、他の3チームを抑えて2019年10月に行われる準決勝に駒を進めたのもTHE_Bでした。

勝てなかったmacaroni編集部チームですが、良い結果もありました。会場にいる人の投票で決まる「みんなのクリエイティブ賞」で、macaroni編集部チームの「アボカドとチーズのムース風」が同率2位をいただいたのです。
調理を担当したメンバーによると、「アボカドとチーズをホイッパーで泡だてて、レモン汁や砂糖で味付け。牛乳で伸ばして片栗粉を入れて、少し火通したものです」とのこと。どんな味なのか気になる方は、ぜひおうちで試してみてください。
熱戦を終えて…
試合を終えたmacaroni編集部チームのメンバーたち。疲れ切ってはいましたが、その表情には達成感もにじんでいました。
感想を聞くと、「とにかく時間がない」「限られた道具をシェアしながら効率よく調理するのがむずかしくて」と、苦戦の理由を真っ先にあげました。一方で、「食材をどう使い切るか考えるのがおもしろかった」「あのチームの料理すごかった!」と、初めての調理バトルを満喫した様子も。

クリエイティブ・クッキング・バトル 大会公式MC クック井上さん
イベントのプログラムが全終了したタイミングで、MCの役目を終えたクック井上さんにもお話を聞きました。
––– 今日のバトル、いかがでしたか?
井上 どのチームもがんばっていたと思います。ただ、勝利したチームはひとつ抜けていましたね。
––– どのような点が?
井上 食材を使い切ることばかりに終始したチームが多かった中で、あそこだけはしっかりとしたコンセプトのもとで調理しているように見えました。結果、彼らの料理からは他にないチームカラーが感じられた。それが審査員の心をつかんだと思います。
––– クリエイティブの部分でより高いステージに達していたということですね。強豪と呼べるチームが勝ち上がりましたが、この先の試合ではどのような展開を期待しますか?
井上 料理のプロに近い人たちの参加も多いんだけど、そんな人たちをアマチュアが負かす。そういうドラマ、アップセットを見たいですね!
クリエイティブ・クッキング・バトルはまだまだこれから!

クリエイティブ・クッキング・バトルのトーナメント表。大会はまだまだ続きます。
macaroni編集部としては残念な結果に終わったクリエイティブ・クッキング・バトルの予選 第2試合。今回のバトルを観戦して思ったのは、“食べ物をムダにしない”という誰もが当たり前に言われてきたことを本当の意味で実践するにはどうすればいいか、考えるきっかけとなるイベントだな、ということでした。
世界で約8億人が飢餓にさらされている現在、日本の食品ロス600万トン中のほぼ半量は家庭からだといわれています。それはつまり、私たち一人ひとりが食材を使い切るよう心がけるだけで問題の半分は片付いてしまうということ(日本のロスに限ってですが)。
ここまで読んでくださった皆さんにはこの大会の今後に注目してほしいですし、機会があるならぜひ自分でも体験してほしいと思います。今大会にこれから申し込むことはできませんが、おそらくは来年も開催されるはず。macaroni編集部チームのメンバーもリベンジに燃えています。
合同会社ctl代表 キムラカズヒロさん
加えて、やる気さえあれば自分でクリエイティブ・クッキング・バトルを開催するのもむずかしくはありません。このイベント、実はフリーライセンスなのです。
「開催するためのパッケージ、台本とか、準備リストとか、そういったものはフリーで配布できます。勝手にどんどん企画して、クリエイティブ・クッキング・バトルを多くの方と楽しんでください」と、大会実行委員長のキムラカズヒロさん(合同会社ctl代表)。
何かイベントの開催を考えているという人は、「ネタがないから」くらいの気持ちで試してみてはいかがでしょうか。フードロスの問題を多くの人に知ってもらう……なんて堅苦しいイベントにする必要はありません。調理バトルを楽しむだけで、そういうことは自然と意識に植えつけられるはずですから。
もし当編集部が参加できるようなエリアで開催し、声をかけてくださるなら……。有志を募って参加するのいもやぶさかではありませんよ。
写真・文:植松富志男(macaroni編集部)