仕事で直面した「嫌なこと」から逃げるのは悪いことなのでしょうか?嫌なことから逃げていい判断基準と、頑張ってひと踏ん張りして乗り越える方法を心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいましょう。
人生において嫌なことはつきものです。困難に当たったときに、逃げてしまってもいいのか、それとも向き合ったほうがいいのか、特に仕事の場合は判断に迷うことがあるのではないでしょうか。
私たちはついつい楽な方向へ逃げたくなってしまうものですが、今回は逃げるべきかどうかの判断基準について考察してみました。
嫌なことを乗り越えるための方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも「嫌なことから逃げる」のはダメなこと?

私たちが仕事を嫌だと思うとき、職場で感じている「感情」が嫌で、それから逃れたいと思っています。
人間関係がうまくいかない、プレッシャーを感じたくないなど、自分の内面的な理由で嫌なことから逃げていると、職場を変えたとしてもまた同じことが起こってしまう可能性が高いです。
嫌なことから逃げていると、逃げ癖がついてしまい、「将来こうありたい」と思い描いていた自分像からかけ離れていき、のちのち「こんなはずじゃなかったのに」と後悔する可能性もあります。
20代よりも30代、30代よりも40代と、年齢を重ねたときに、選択肢がどんどん減り金銭的に困窮するリスクも高くなります。
とはいえ、自分の内面的な問題だとしても、オーバーワークやパワハラなど過度なストレスがあり、体調に異変が生じる恐れがあるようであれば、逃げて自分の身を守ることも大切です。
また、仕事自体が合わないと感じたときは、続けていても自分のためにはなりませんので、辞めて方向転換をするのもいい選択です。状況をよく観察しながら、臨機応変に対応していきたいですね。
嫌なことから逃げるべきかの判断基準
臨機応変に対応していきたいとはいえ、逃げるべきかどうかの判断することはなかなか難しいものです。
続いては、嫌だと思うことが発生したとき、逃げるべきか立ち向かうべきか、その判断基準を6つご紹介します。
1.逃げたあとに自分の人生が良くなるかどうか

嫌なことから逃げたあとに、人生が良くなるというビジョンがある場合は逃げてもOKです。
良くなるとは言い切れなかったり罪悪感がわいたりする場合は、目の前の課題に向き合ったほうがいいでしょう。
2.「つらい現状から解放されたい」という気持ちだけで考えていないか

今がつらくて、ただ逃れたいという気持ちだけの場合は、現実逃避になっています。そのままいくと、のちのち自分の首を絞めることになるので、向き合って乗り越えるのがオススメです。
ただし、体調に異変が起きているときは、自分を守り休むことが最優先です。
3.次にやることが決まっているかどうか

嫌なことを辞めたいと思ったとき、次にやることが決まっている、もしくは辞めたあとの道筋がイメージできている場合は、辞めることが人生の方向転換になる可能性が高いので問題ありません。
ただし、次にやることが何もイメージできていないときは、次が決まるまでは今の場所で頑張ってみたほうがいいと思います。
4.今やっていることが将来につながるか

今やっていることが嫌なことだったとしても、将来につながるような場合は、嫌であっても続けていくことで芽が出る可能性があります。
明らかに将来につながらないのであれば、辞めて方向を変えていくのもひとつの方法です。
もしどちらともわからない場合は、続けていくことで見えてくるものがあるはずですので、ひとまず今与えられていることにしっかり取り組んで見極めましょう。
5.自分に向いていないと感じるかどうか

向いていないことを無理にやる必要はありません。
ただし、辞めるなら辞めるで、あとのことをしっかり考えておかなければなりません。自分は何に向いているのか、何がしたいのか、そのためにはどんなことをしていけばいいのか考えておきましょう。
6.自分のやりたいことが明確にあるかどうか

もしやりたいことがはっきりしていないのであれば、まずは与えられた仕事をまっとうしましょう。
たとえ嫌だなと思うことであっても、尽力するうちに案外好きだったと気づくこともありますし、鍛えられることで実力も上がります。自分の幅が広がるので悪いようにはならないはずです。
嫌なことから逃げずに乗り越える方法
では、上述の判断基準で「嫌なことから逃げるべきではない」と判断したときどうしたらいいのでしょうか。
嫌なことから逃げずに、どのように乗り越えるといいのかについてご紹介します。
1.うまくいかない自分の現状を受け入れる

たとえば仕事でミスをしたり、プレゼンで緊張して失敗したりした場合には、うまくいかなかったことを今の自分の実力だとしっかりと認め、受け入れるステップが必要になります。
「私はダメだ」「もう嫌だ」と自分を責めてしまうのは、失敗を受け入れていないからです。「今回は失敗したけど次は同じ過ちを繰り返さないようにしよう」「もっとできるようになろう」、と前向きに考えを切り替えていくためには、まず現状を受け入れることが必要になります。
2.自分の癖や考え方を変えてみる

職場での人間関係が嫌な場合、実は職場を変えたとしても、また同じことが起こる可能性が高いです。
たとえば、いつも言いたいことを言えない癖があるのなら、意見を伝えられる自分になることが近道です。どこにいってもなめられてしまいやすい人も、自分の接し方や自信のなさなどを変えてみましょう。
まわりを変えようとするより自分の癖や考え方を変えたほうが早いです。
自分の内面に原因があることは逃げても、問題が先送りになるだけで解決はしません。ならば、今の職場で、勇気を出して自分のパターンを変えていくことにチャレンジしたほうが建設的です。
3.相談できる人を持つ

自分ひとりで考えていると「嫌だ嫌だ」とネガティブになってしまいがちですが、話すことによって客観的に自分の現状を捉えられるようになります。
相談できる人を持つことは、逃げたいという一時の感情に流されることなく、中長期的な視点で自分の人生を見ていくのに効果的です。
4.逃げたあとのことを想像する

一時の感情に流されて逃げた場合、そのあと自分がどうなるのかをリアルに想像してみましょう。
逃げてばかりいるとそのあとの人生の選択肢は狭まり、先細りしていくことが多いです。
たとえば、仕事を断ったことで社内の主要人物から外されてしまうことや、また一から転職活動をする様子などをイメージしてみると、今踏ん張って頑張ったほうがはるかに楽だという場合もあるはずです。
5.嫌なことにも意味があるかもしれないと考えてみる

今は嫌なことでも、将来「得るものが多かった」「あのおかげで今がある」と思えるようになることも多いものです。
ひたすら数をこなしていくうちに、さまざまな発見があることも多いので、「今これをやる必要があるということは、何かを学べということかもしれない」と考えて、とにかくやってみましょう。
まずは逃げるべきか自分に問いかけよう!
壁に当たったとき、逃げたいと思う人は多いですよね。とはいえ、一時の感情に流されてしまうと、成長の機会を失い、年齢とともに人生の選択肢がどんどん減っていく可能性があります。
過度のストレスで体調に異変を感じるときは、すぐに逃げて自分を守ることが大切ですが、人間関係でうまくいかないときは、たとえ逃げたとしても問題の先送りになるだけの場合も多いです。
逃げてもいいことなのか、それとも真摯に向き合うべきことなのか、よく見極めてから臨機応変に行動しましょう。