仕事やプライベートで「頑張り屋さん」になって、疲れてしまってはいませんか? 今回はコラムニストのヨダエリさんに、頑張り屋さんにはどんな特徴があって、どう対処すればいいのかを聞いてみました。
「頑張り屋」という言葉があります。仕事や学業、プライベートなどで、やるべきことに一生懸命取り組む人のことですね。
まわりからは、「立派だな」「偉いな」と思われることが多く、本人も頑張ったことに充実感を覚えるケースが多いでしょう。
……うまくいっている間は。
脅しているわけではなく、頑張り屋さんは、頑張りすぎないよう注意しておくことがとても大切なのです。なぜなら、もしかしたら今後、脳裏にこんな思いがよぎる瞬間がやってくるかもしれないから。
「自分は頑張りすぎじゃないか?」と。「このままだと自分はどんどん辛くなるじゃないか?」と。
一体なぜ頑張りすぎないことが大事なのか、頑張りすぎてしまう人の傾向に触れながら、解説していこうと思います。
「頑張りすぎかも」と気付くとき

頑張るのは、基本的には大切なこと。たとえば、いい仕事をすべくひとりひとりが頑張るから会社に利益が出ます。家族ひとりひとりが役割を果たすべく頑張るから、平和な家庭が維持されます。
頑張ったことで良い結果が出るのは嬉しいものですし、頑張っている人の姿を見るのも、気持ちがいいですよね。
だから、頑張っている人は「頑張れば頑張るほどいいんだ」と、ときに思い込んでしまいます。
そして、頼まれた仕事をすべて引き受け、それをやり遂げるために睡眠時間を削ったり、頻繁に残業や休日出勤をしたりします。家庭での役割も決して手を抜きません。
その結果、どうなるか。体調を崩します。最初は風邪や頭痛といったちょっとした体調不良。でも気にしないで頑張り続けた結果、検査が必要な大きな病気を発症したり、場合によっては心の病気を発症したりします。
考えてみれば、当たり前のことなのです。人間の体力にも精神力にも、キャパシティがあります。それを越えてまで動こうとすれば、壊れてしまうのは自然なこと。
そして、壊れてから気付きます。
「頑張りすぎていたのかも」と。
頑張りすぎてしまう人の特徴

世の中には頑張らない人、頑張るのが苦手な人もいる一方で、つい頑張りすぎてしまう人がいます。
頑張りすぎてしまう人にとって、頑張るのは当たり前のこと。「頑張った」ことで、はじめて人として胸を張って生きていけると無意識に捉えている人もいるかもしれません。
そこまではいかなくても、頑張らないこと、つまり手を抜くことに罪悪感を抱きがちな傾向はあるはずです。つまり、頑張らないことが、むしろ苦手。
そこも含め、頑張り屋さんには、下記のような特徴や傾向を持っている人が多いと思います。
・完璧主義
・人に頼むのが苦手
・自分ひとりで作業をする方が楽
・他人の仕事ぶりを信用していない
・人の期待に応えたい気持ちが強い
……自分だ!! と当てはまる人、多いのではないでしょうか。そんなあなたも頑張り屋さんです。
頑張りすぎを防ぐには

上のような傾向があるから頑張りすぎてしまう。ということは、それらをやめるようにすれば、頑張りすぎは防止できるということです。
完璧主義の人は、「人間なんだから常に完璧である必要はない」と気付くことが大事。
人に頼むのが苦手な人は、「頼むのは悪いことでも恥ずかしいことでもなく、むしろ信頼を示す行為だ」と捉え、大変なときは頼むことが大事。
自分ひとりで作業するのが楽な人は、「自分に何かあったときに仕事が止まるリスクがある」と気付き、共有と分担を試みることが大事。
他人の仕事を信用していない人は、「人に任せることで相手がやる気を出すこともある」「人に任せたからといって、自分が一切口を出してはいけないわけではない」と気付き、人に仕事を任せることが大事。
人の期待に応えたい気持ちが強い人は、「相手は自分に無理をしてほしいわけではないし、頑張りすぎて倒れたら元も子もない」と気付き、無理をしないことが大事。
ちなみに、無理をしているつもりはないんだけど……と思う人もいますよね(私も昔そうでした)。でも、もし身体や心の具合が悪くなったのであれば、あなたは無理をしているのです。
「そっか、私無理してたんだ……」と、まずは気付くこと。そこから再スタートすればいいのです。
頑張れない自分とどう向き合えばいい?

中には、これまで頑張りすぎた結果、「もう頑張れない」と無気力になってしまっている人もいるかもしれません。
そんなときは、「今は少しお休みする時期なんだ」と捉え、ペースをゆるめましょう。そして、休息を選んだ自分を責めないこと。
心と体は連動しています。心が「頑張れない」と思っているときに、無理に動こうとしてもうまくいかず、そのせいで自信を失い、ますます無気力になりかねません。
頑張りすぎた人が病気になったり、無気力になったりするのは、命を失うような大事になる前に身体が発信してくれたアラートだと私は捉えています。
「おやすみしましょう」と身体が伝えてくれているのです。だから、それに従っていいのだと思います。無気力なりにやれること、やりたいことがある場合は、それをやっていればいい。
可能であれば、ときには心を許せる友人や仲間に会ってお茶や食事をしたり、外に出かけて映画や本、コスメや服などなんでもいいので好きなものに触れたりする時間を取るとなおよしです。なんの刺激もない状態ですごす日々が長くなりすぎると、いろんな感覚が鈍っていくと思うので。いわばボケ防止です(笑)。
もちろん、それをしなきゃ! と義務感を抱いてしまうと、また疲れてしまうので、ちょっとエネルギーが出てきたかもと感じたころに、少しずつ動いてみればいいと思います。

仕事をはじめたばかりのときや、結婚したばかりのときなどは、覚えないといけないことや慣れないといけないことが多いので、「頑張らなきゃ」と必死になるもの。それは自然なことですし、あるべき姿だと思います。
でも、ある程度仕事や動き方を知ったあとは、手を抜くことも大事です。というより、手を抜く時間も作らないと長続きしません。そうしなければ、一番大事なところでパフォーマンスを発揮できません。
たとえば、自分が会議やプレゼンで発表する役割のときなどは全力で行うけれど、それ以外では適度に手を抜く。関わっている案件が増えていくと、すべてを全力で頑張るのは不可能であることがわかってきます。自分が一番頑張るべきところで頑張るためにも、そして長く仕事をしていくためにも、手の抜きどころを知ることは大事です。
また、仕事と家庭の両立を頑張りすぎて、心や体の調子を崩してしまうケースもあります。そうならないためには、夫が一番重視しているのは何か、あまり気にしていないのは何か、を把握し、適度に手を抜くことが大事。
たとえば、「帰宅時には、必ず玄関まで迎えに出る」「愚痴を聞いてあげる」は必ずやるけれど、「夕飯の献立はマンネリでもいい」といった具合に(笑)。これはあくまでも一例で、帰宅の早い夫が食事の支度を担当するケースなどもあるでしょう(あってほしい)。どんなパターンにせよ、自分にも相手にも完璧を求めすぎないことが鍵だと思います。もちろん我慢しすぎもよくないので、そのへんは臨機応変に。
人生は長いです。短距離走なら全力で走り抜ければいいかもしれませんが、長い長い距離となると、そうもいきません。まわりの景色を楽しみながら、そしてたまに休憩しながら長距離をウォーキング。それくらいのスタンスでいることが、仕事でもプライベートでも笑顔の多い日々をすごすコツかもしれません!