03.18Wed/水

LOCARI(ロカリ)

自宅がキッチンスタジオに バリ風インテリアで心地よい暮らし

安藤さん夫妻が茅ヶ崎に家を建てたのが6年前。自然光たっぷりのバリ風空間で繰り広げられる、奥さま主催の料理教室が好評を得ている。

神奈川県茅ケ崎市。海まで自転車で10分の地に、安藤裕司さん・こずえさん夫妻は家を構えた。転勤族で各地を転々としてきたお2人だが、「茅ヶ崎は、初めてずっと住みたいと思った土地でした」とこずえさん。サーフィンが趣味の裕司さんにとっても、海の近くは理想的な場所だった。
「家を建てる前に、この近くの賃貸の戸建てに2年ほど住んでいました。近所の方が野菜や果物を持ってきてくれたりと、気さくであたたかな人が多く、都会とは違った交流が楽しめ、すっかり気に入ってしまったんです。偶然、近くに良い物件が出たため、即決しました」(こずえさん)。
以前から、デパートや企業に出向いて料理を教えていたというこずえさん。「自宅で料理教室を開くことが夢でした」と、家づくりの構想はそこからスタートした。

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2階リビングの中央にキッチンを設けた。リビング側には料理教室で使用するキッチンツールが並び、見ているだけでも楽しい。

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キッチンに立つと、ベランダまで見通せて気持ちがいい。真っ白いキッチンカウンターは人工大理石。

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来客時にはいつも用意しているというウェルカムドリンク。本日は、プルーンのビネガードリンク。

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手入れがラクな黒い壁面を採用。料理教室の場所を伝えるのにも、「黒い家」は目印になるとのこと。

キッチンスタジオとしても使用する2階は、天井が高く、高窓からのたっぷりの光が降り注ぐ、開放的なワンルーム。対面式のキッチンを中央に設置し、回遊性をもたせた。キッチン前のカウンターや収納棚には、プロ仕様の調理家電、フライパンや鍋などの調理器具、食材、食器がオシャレに陳列。“見せる収納”にこだわり、料理教室に訪れる生徒さんたちの意欲をかきたてる。
こずえさんが主催する料理教室『Recette(ルセット)』は、当初はイタリア料理からスタートした。その後、生徒さんのリクエストに応え、和食やエスニック、中華などへとジャンルは広がり、初心者からベテランまで誰でも楽しめる料理を提案している。

「料理教室は、効率よく、短い時間でいろいろなものを作れるようにと考えています。そのため、キッチンの中ではなく、ガス台や作業台をリビングに出し、広々とした空間で生徒さんたちが自由に動けるようレイアウトを工夫しています。生徒さんが使用したものは洗い場にさげておき、合間を見て私が洗います。また、生徒さんが試食している間に私がデザートの準備をしたりと、キッチン内と外で同時進行できるよう使い勝手を第一に考えた造りにしました」。
約3時間半のレッスンのなかで、生徒さんたちに充分に楽しんでもらいたいというこずえさんのおもてなしの姿勢が伝わってくる。

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回遊性をもたせた対面キッチン。料理教室のときにキッチン内に入るのは、基本的にこずえさんのみ。奥のスパイスラックの下に窓を設けたのは、コンロの火に影響がないように。『キッチンエイド』の赤いスタンドミキサー(手前)は、お菓子やパン作りだけでなく、味噌や挽肉を作るのにも重宝。

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保存容器はガラス製に行き着いたという。「中身が見えないと忘れてしまうので(笑)」とこずえさん。上部からライトを当て、美しく演出。

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『IKEA』で購入したバタフライテーブルは、全く同じものが3台。天板を片側のみ開いたり、両サイド開いたり、全部閉じたりと自由自在。生徒や来客人数によって調整でき、レイアウトもその都度変更可能。

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普段はキッチン内に置いてあるガスコンロと作業台を、料理教室のときのみリビングへ。あらかじめリビングの床にガス栓を取り付けた。

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大小のフライパンがずらり。「フライパンはどうしても汚れるので、ある程度使用したら買い替えます。電熱が良いものを合羽橋で購入しています」。

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『ストウブ』の鍋の取っ手を動物に変更。「鶏、豚、魚、エスカルゴと食材がモチーフになっています。私のささやかな贅沢です(笑)」(こずえさん)。

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階段を昇ってくると本棚が。生徒さんたちがレッスン前などの時間に手に取れるようにとの心遣い。

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2階のトイレ。臭いを吸収する特殊な壁紙を採用。

安藤邸に一歩足を踏み入れると、お香の良い香りがし、玄関にはカエルの石像が鎮座し、壁には木製のゲッコーが張り付いている。遊び心のあるバリ風インテリアでゲストを迎えてくれる演出は、裕司さんのアイディア。
「学生時代にバリ島を訪れ、サーフィン三昧の生活をしていました。海もいいですが、食べ物も美味しくて、人もあたたかくてね。すっかり魅了されて何度も訪れています。長いときは数か月いたことも。家を建てるなら、バリのリゾートホテルのような空間にしたいと思ったんです」。
リビングの床はタイル調に仕上げ、天井はダークブラウンの梁に、重厚感のあるシーリングファンを設置した。壁にはストーンカービングをはめ込み、天然木やラタン素材の家具で統一。程よいグリーンもアクセントになっている。
「雑貨や家具は輸入物なので、バリ雑貨のお店にこまめに通い、出会いを待ちます。やりすぎるくらいに徹底してバリ風にこだわることを楽しんでいます(笑)」(裕司さん)。
「この家に住んで6年くらい経ちますが、人との良い出会いが増え、運もよくなったと感じます。観葉植物もこんなに大きくなるのかというほどよく育つんですよ(笑)」(こずえさん)。
心地よいリゾートライクな空間で笑い声が絶えない安藤邸。そのお2人の笑顔が幸せを呼び込んでいるようだ。

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ロフトからリビングを見下ろす。安藤邸にはカーテンがない。裕司さんの友人がロフトに気軽に泊って行かれるそうだが、「眩しくて寝ていられないそうです(笑)」(裕司さん)。

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スペースを最大にしてもらったというロフト。料理本がずらりと並ぶ。当初は、レシピを作成するなどこずえさんの部屋として作ったが、「コタツを置いたら、人間も猫も皆集まってきます」と。

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向かい側にコミュニティセンターがあるため、壁を高くし、木製調のルーバーで抜けを作った。BBQや食事をする際、人目を気にせず楽しめる。

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窓が多く、自然光がたっぷり入り、風が心地よく抜ける。壁(奥上)に飾られた大きなバリ絵画は、お店の人が何枚もの絵画を持ってきてくれて、実際に壁に合わせてみて、選んだものだそう。

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壁に張られたゲッコーはバリでは『守り神』。“無事帰る”の願いを込めて、カエルの石像を玄関に。

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裕司さんのウェットスーツは玄関脇に収納。サーフィンから帰宅し、風呂場に直行できるよう隣にバスルームを設けた。「玄関から3歩以内で入れるようにしてもらいました(笑)」。

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1階の廊下には、飾り棚を設け、バリの雑貨をディスプレイ。ゲストの目を楽しませてくれる。

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スコティッシュフォールドのコウくん(1歳、オス)は人懐っこくて、撮影にも協力的。たびたび登場いただきました。

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アメリカンショートヘアーのリンちゃん(8歳、メス)はお気に入りの場所から終始動かず。

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キッチンの脇には、生徒さん各自のレシピ等を置くスペースを確保。教室名の「Recette(ルセット)」はフランス語でレシピという意味だそう。レッスンは1回完結のため通いやすいのも魅力。

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野菜ソムリエやオーガニックコンシェルジュ、雑穀エキスパート、調味料マイスター・点心マイスターなど数々の資格をもつ勉強熱心なこずえさん。裕司さんや猫ちゃんたちも応援している。

この記事のライター