03.18Wed/水

LOCARI(ロカリ)

「あの作品」ヒストリー vol.19 MaHoMeさんの、いろいろ出てくる絵の具ブローチ

自身の代名詞ともいえるような、長年愛され続けている作品をもつ作家さんに、その作品の誕生秘話を語っていただく連載企画。第19回目は、MaHoMeさんと「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」の登場です。

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MaHoMe

画材アクセサリー「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」を中心に、原型から作品を制作。

MaHoMeさんが手がける「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」。絵の具の先から、にゅっと飛び出てくるのは、パンダ、メロンパン、宇宙!?「次は何が飛び出てくるのかたのしみ」「思わず集めたくなる!」と、注目を集め続けている人気作品です。
そんなユーモア抜群のブローチが生まれたきっかけや、アイデアの源とは?

今回は、MaHeMeさんの「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」ヒストリーに迫りました。

「好き」がいっぱい

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MaHoMeさんの作品は、パーツの原型そのものなど、細かい部分までひとつひとつ丁寧に手でつくられています。もともと「ものづくり」がお好きだったのでしょうか。

MaHoMe: はい。つくることはずっと前から好きで、主に樹脂粘土やレジンなどで作品をつくっていました。イベントにも出たりしていましたね。

「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」はどのように生まれたのでしょう。

MaHoMe: イベントに参加し始めた当時、広い会場の中で「いかに自分の作品を覚えてもらうか」ということを課題にしていました。
モチーフを何かひとつに定めたほうが、世界観もわかりやすいですし、目に留まりやすくて良いだろうなとも考えたのですが、わたしは好きなものが多くて(笑)。なかなかひとつに絞ることができませんでした。

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MaHoMe: 統一感を持って好きなものをいろいろつくるためには、と考え続ける日々の中で、ひとつの軸をつくり、そこに関連させるようにつくれば、まとまりが出るかもしれないと思ったんです。たとえば、ひとつの何かからいろいろなものが出てくるとか…と、そこでひらめいたのが「絵の具ブローチ」でした。

絵の具からいろいろ出てくるという発想は、「統一感」「好きなものをつくること」、その両方をあきらめずに考え抜いた結果、生まれたものだったんですね。

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MaHoMe: 「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」と名付けて、名前の通り本当に自由に、いろいろなものをにゅっと出させていただいて(笑)。わたし自身、とてもたのしく制作しています。

みんなのアイデアをかたちに

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いちばんはじめに「絵の具ブローチ」から出てきたものが気になります。

MaHoMe: 最初は、宇宙(Cosmic色)、次がパンダ(Panda色)です。
このふたつは今でもとても人気で、「プレゼントとして」「はじめて選ぶ一色として」、たくさんの方に手に取っていただいています。

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宇宙、パンダ。出てくるものの意外性が、ファンのかたのワクワクにつながっているように感じます。「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」を制作する上でのこだわりをおしえてください。

MaHoMe: いつも考えているのは、リアルとファンタジーのバランスです。
チューブ部分は、リアル、身近にある見知ったものです。対して、絵の具部分は、ファンタジー。実際には出てこない宇宙やパンダが飛び出してきます。

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MaHoMe: このふたつをバランスよく組み合わせることで、おもしろい!と思ってもらえるのかなと考えているので、毎回組み合わせには試行錯誤しています。

絶妙なバランスは見事だなと思います。今では、まさに絵の具の色数のように、たくさんのバリエーションがありますね。

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MaHoMe: 2015年の「minneハンドメイド大賞」で、12色の絵の具ブローチを収めたセットを制作したことをきっかけに、一気に多くの方に知っていただけるようになりました。この頃から「こんな色があったらいいな」とリクエストをいただくようになったんです。

リクエストに応えながら、アイデアが増えていったのですね。

MaHoMe: そうですね。作家さんからもコメントをいただくことがあり、これまでに、さまざまなジャンルの作家さんとコラボレーションもさせていただいて。
改めて数えてみると、46人もの作家さんと、85種類以上の絵の具を制作させていただきました。(展示のみも含む)

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フェイクスイーツ作家・きくみさんとのコラボレーション作品。絵の具から出てくるものを、それぞれの作家さんが想い想いにデザインされるというユニークな内容です。

MaHoMe: どれも自分だと思いつかないものばかりで、完成作品を見るたびに刺激をもらっています。これからも機会があれば、作家さんとのコラボレーションをやっていきたいですね。

新しい試みの数だけ、バリエーションが増え、ファンもまた増えていく、そんなイメージです。MaHoMeさんにとって「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」はどのような存在ですか。

MaHoMe: わたしの人生を彩ってくれた大切な作品です。ブローチをきっかけにたくさんの人と出会い、チャンスをいただき、つくる前には想像もできなかった、数えきれないほどの体験ができました。
想像で終わらせず、かたちにして本当によかったと思っています。

色の数だけときめきを

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「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」には、絵の具の色を集めるように、コレクションしたくなる魅力があります。新色を心待ちにされている方へどんなことばを送りたいですか。

MaHoMe: 「ただつくることが好きで、作品を完成させられれば満足」という期間が長かったので、
作品が手を離れてお客さまの元へ届き、感想をいただくということにいまだに新鮮な驚きを感じ続けています。

最後に、今後の目標や夢をおしえてください。

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MaHoMe: 絵の具の基本、色についてもっと知りたいなと思っています。
名前の由来や色のつくり方など、絵の具にまつわる知識を深めて、制作に役立てたいです。
絵の具メーカーさんとのコラボもできたらいいなと思っています。

目にした人を笑顔にし、ときめきを与えてくれる、MaHoMeさんの「いろいろ出てくる絵の具ブローチ」。思いも寄らないものが、本当に“いろいろ出てくる”ので、今後の新作からも目が離せません。次に出てくるのは一体なんだろう、自分だったらこんなものが出てきてほしいな、と想像をめぐらせながら、ぜひギャラリーページをチェックしてみてください。

次回の作品ヒストリーもおたのしみに。

取材・文 / 西巻香織

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この記事のライター

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