鮮魚目利きのエキスパート集団「鮮魚の達人」代表の山根さんに、本当においしい魚の食べ方を教わる連載。第3回は「魚の煮付け」のコツをご紹介します。味噌煮や醤油などさまざまな味付けがありますが、達人のオススメは意外な味わいでした……!
プロ伝授!「魚の煮付け」の基本

Photo by macaroni
風の冷たさが身にしみる季節。寒い日は、アツアツに煮込んだ魚の煮付けで温まりましょう!味噌煮や醤油味が定番ですが、それだけではもったいない。地域によって、さまざまな「煮付け」の方法があるんですよ。水とお酒だけで作る「究極の煮付け」まで……!?
煮付けの基本は「水とお酒」
「基本的な煮付けの方法を覚えれば、味噌も醤油もやり方は同じ!」と山根さん。くさみのないおいしい煮付けのポイントは「水とお酒」にあるんだとか。
▶料理酒は「清酒」を選んで

「煮付けに使うお酒は、料理酒ではなく清酒を選んでください」と山根さん。一般的に、料理酒は塩や甘味料などで調味されていることが多く、雑味が混じりやすいんだとか。「料理酒」と書かれていても、ラベルの原材料名に「清酒」と書いてあるものならOK。ラベルまでよく見て選びましょう!
究極の「煮付け」は水とお酒のみ!
山根さんによると、「鮮度のいい魚が手に入ったら、水と清酒だけで水煮を作ってもらいたいですね」とのこと。「味がしないのでは?」なんて疑わず、まずはそのままひと口。清酒でくさみをおさえたお魚そのものの繊細なうまみが感じられる、滋味深い味わいです。これは究極〜!お好みでポン酢をかけて、味の変化を楽しみましょう。
皮目に切れ目は入れる?入れない?

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魚に火が通ると、皮が縮んで破れることがあります。これを防ぐために切れ目を包丁で入れますが、味がしっかりとしみやすくなるというメリットも。入れたほうがよい魚と入れないでもよい魚があるんだとか。
▶入れたほうがよい魚

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上の写真のように骨がついているものや、頭のついている丸ごとの魚などは身が縮みにくいので、皮が縮むのについていけず破れやすくなるんだとか。また、身の厚いものは味がしみにくいので、切れ込みを入れるといいそうです。
▶入れなくてよい魚
切り身で骨がついていないものは、皮だけでなく身も縮みやすいので、皮が破れにくいんだとか。そのまま煮てOKです!
「魚の煮付け」の基本の作り方

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まずは煮付けの基本の作り方をご紹介!今回は、マサバにしょうがとネギを加えて味噌煮にしました。
▶用意するもの

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・魚
・水道水 適量
・清酒 適量
・味噌 適量
・みりん
・香味野菜(しょうがスライス、ネギなど)
今回は、旬のマサバを用意しました。煮付け用の魚は、添加物に「塩」と書かれていないものを選びましょう。
▶作り方
1. 水道水と清酒を1:1の割合で合わせて鍋に入れ、中火で熱します。沸騰したら火を止めます。

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3. 味見しながら味を整えます。

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4. 落としぶたをして2〜3分加熱して魚を一度だけ裏返します。火を止めてから1〜2分放置します。
▶ポイント
・水と清酒の分量は、魚の大きさや量に合わせて変わります。魚がひたる程度の量を用意しましょう。
・味付けやとろみの強さは、地域や好みによって変わってきます。味見しながら調えましょう。
・③で使う調味料を変えると、アレンジを楽しめます。
・④で放置することで、味がよくしみます。
地域によって味付けはさまざま!
「魚の煮付けは、地域によって味付けに違いがあるんです」と山根さん。海に近い地域なのか、都会なのか、田舎なのか……などによって、よく食べられる味わいがかわってくるんだとか。醤油や味噌で味付けするのが一般的ですが、沖縄を中心とした農村ではでは塩のみでさっぱり仕上げる「マース煮」が好まれるんだとか。長ネギを加えて煮込んで作ります。
清酒を使っておいしい煮魚の完成♪
煮魚を作るなら、難しいテクニックは不要!水道水と清酒で煮込めば、くさみのないふっくらジューシーな煮魚が完成します♪醤油、味噌、塩と、さまざまな味付けに挑戦してみてくださいね。
監修者プロフィール

「鮮魚の達人協会」代表 山根博信さん
鮮魚目利きのエキスパート集団「鮮魚の達人協会」の代表。この道30年以上の経験と情熱により仲卸業の枠を超え、量販店で店頭販売の指導やサポートを通して魚食文化の普及に尽力している。TV、ラジオ、雑誌などメディアへの出演も多く、注目を集めている。