近年、注目を浴びている発酵食品。おうち時間の増加に伴い、みそやぬか漬けを手作りする方も増えました。発酵食品時間は時間がかかるという印象がありますが、もっと簡単に作れたらいいと思いませんか?料理家の榎本美沙さんに、最短1日で作れるという「発酵トマト」の作り方のコツを伺いました。
混ぜて放置するだけでおいしい!? 発酵トマト

発酵食品ブームのなか、「発酵トマト」なる調味料が密かに人気を集めています。トマトと塩で簡単に作れるとあって、おうち時間を利用して自宅でチャレンジする人が増えているようです。
そこで、発酵トマトの火付け役でもある料理家の榎本美沙さんに、作り方と失敗しないコツを教えていただきました。
教えてくれた人

料理家、発酵マイスター/榎本美沙さん
会社員時代に“夫婦で一緒に作る”をテーマにしたレシピサイト『ふたりごはん』を開設。調理師学校を卒業したのちに独立して料理家の道へ。発酵食品や季節の野菜を使ったレシピ開発が得意。著書に『野菜の「べんり漬け」』(主婦の友社)、『ジッパー袋でかんたん 季節の手仕事』(家の光協会)など。
発酵マイスターでもある榎本さんは、定期的に発酵食品を手作りし、毎日何かしらを体に取り入れるようにしているそうです。
「植物性乳酸菌によって腸の調子がとてもよくなると感じているので、発酵野菜はよく作ります。はじめはザワークラウト作りからスタートし、これまでにいろいろな野菜で試してみたのですが、夏になるとよく作るのが発酵トマトです。
トマトを発酵させると、旨味の強いおいしいトマトソースのようになります。入手しやすい材料で簡単にできて、特別な道具も必要としないので、はじめての方でも作りやすいと思います」
腸活にも!発酵トマトの作り方

調理時間:2日間
保存期間:冷蔵で2週間
「発酵トマトの作り方はびっくりするくらい簡単。トマトと塩、唐辛子を混ぜて置き、ときどきかき混ぜるだけです。ケチャップともトマトソースともまた少し違った、トマトの旨味が際立つ調味料になります。私は、スクランブルエッグのソースや豚しゃぶのつけダレに使うのが好きですね。みそ汁に入れてもおいしいですよ。
発酵トマトを作るうえで一番大事なポイントは清潔にすること!雑菌が入るとうまく発酵が進まず、腐敗の原因になります。なので、手と道具は必ず消毒してから作業するようにしましょう」
材料(作りやすい分量)

・トマト……3~4個(450g)
・あら塩……9g
・赤唐辛子(種を抜いたもの)……1本
※見やすくするため撮影用に黄色い唐辛子を使用しています
「トマトは新鮮で完熟したものを使ってください。新鮮なトマトのほうが乳酸菌が豊富なので、発酵しやすく失敗しづらいです。
ちなみに品種はなんでも構いませんが、プチトマトはNG。水分の多いトマトのほうが、上手に発酵してくれます」
必要な道具

・スケール
・食品用消毒スプレー
・ジッパー付き保存袋
・スプーン
・バット
・保存瓶
「保存袋は新しいものを使えば、消毒はしなくても大丈夫です。ただし、発酵中に空気に触れると失敗しやすくなるので、できるだけ空気を抜くようにしてください。そのためにも、保存袋を使うことをおすすめします。
保存袋に入れたあとはバットの中に置いておくと、かき混ぜるときも作業がしやすく、こぼれや汚れが気になりません」
作り方
1. トマトを切る

トマトを洗い、キッチンペーパーやふきんなどでよく水気をふき取ります。清潔なまな板と包丁を使い、1.5cmの角切りにしてジッパー付き保存袋に入れます。
2. 塩と唐辛子を加える

続いて、塩を加えます。トマト全体に塩をまぶし、ジッパーを閉めてもみ込みます。最後に赤唐辛子を加え、なじませたらしっかり空気を抜きます。
「発酵菌の働きを活発にし、さらに腐敗を防ぐためにも、塩分量はしっかり守ってください。唐辛子を加えるのも、腐敗防止のため。ちぎらずにそのまま加えるだけでいいですよ」
3. 撹拌する

日に数回、スプーンを使って撹拌し、発酵を促進させます。ときどき清潔なスプーンを使って、全体を混ぜ合わせましょう。発酵が進み、袋がプクっと膨らんできたら、そのつど空気を抜いてください。
「袋のふちにトマトが付いたら、きれいにふき取ってください。これも腐敗させない大事なポイントです。清潔にだけ気を付けていただければ、とてもおいしいソースになります」
4. 常温で1〜4日間置く

発酵中は常温に置きます。直接陽の当たらない場所に夏場は1〜2日、夏場以外は4日ほど置くとよいでしょう。消毒した瓶に詰めて冷蔵庫で保存します。
「気温の高い時期はクーラーの効いた部屋に置き、2日以内に作ってください。味見をして、旨味が出ていたら完成です。
一方、あまりに大きい炭酸のような泡が出てしまったら、発酵しすぎのサイン。ツンとした嫌な匂いがする場合も、残念ながら失敗なので廃棄しましょう。発酵を進めすぎないためには、あまり長い時間置かずに、早めに引き上げることが大切です」
発酵トマトが完成したら、どんな味わいなのか試してみたいですよね。しかし、はじめての場合は、どうやって食べればいいのか迷ってしまうところ……。発酵トマトを使ったおすすめのレシピも、榎本さんに教えていただきました!
さっぱりしているのに旨味がすごい!発酵トマトそうめん

「発酵トマトは旨味たっぷりで本当に何でも合うのですが、じつは凍らせて使ってもおいしいんです!
暑い日は冷たいそうめんを食べたくなる方が多いと思うので、凍らせた発酵トマトを合わせてみました。大葉の香りも相まって、さっぱりといただけます。発酵トマトさえ凍らせておけば、思い立ったときにすぐに作れる簡単レシピです」
材料(2人分)

・そうめん……4束
・発酵トマト……1カップ
・大葉……3枚
・ツナ缶……1缶(30g)
・オリーブオイル……適量
下ごしらえ
・大葉を刻み、発酵トマトと一緒にジッパー付き保存袋に入れる。平らに広げて冷凍する
作り方
1. 大き目の鍋でたっぷりの湯を沸かし、袋の表示に従ってそうめんをゆでる。ゆであがったら、流水でもみ洗いし、器に盛る
2. 凍らせた発酵トマトをもんでほぐし、1の上にのせ、汁気を切ったツナとオリーブオイルをかける
刻んだだけのトマトが大変身!まるで新しい調味料みたい
はじめてチャレンジした発酵トマト。本当に簡単に作れました。しかも塩分もちょうどよく、驚くほどおいしくて感激!トマトの青臭さが消え、旨味が強くなった感じでしたよ。
じつは、筆者の家族には発酵食品が苦手な人がいるのですが、まったく気づかず「おいしい!」と言って食べていました。それくらい食べやすいんです。体にやさしい発酵食品を家族に摂ってほしいと考えているママさんたちにおすすめします。
食欲の落ちがちな夏、腸の動きが整う発酵トマトをぜひ作って使ってみてください。