「推し活」を楽しんでいる人に家計管理のポイントをインタビュー! 今回は漫画が原作のミュージカルをきっかけに、17年間「2.5次元ミュージカル」を推しているおこめさん(39歳/女性/会社員)の家計術を紹介します。
「推し活」を楽しんでいる人に家計管理のポイントをインタビュー! 今回は2.5次元ミュージカルを推して17年間のおこめさん(39歳/女性/会社員)の家計管理のコツをご紹介します。「推し疲れ」ないためのバランスの取り方についてもインタビューしました。
あなたの推しを教えてください

2.5次元ミュージカルを推しています。ハマったきっかけはとある漫画原作の舞台版ミュージカルです。推し歴は2022年でもう17年になりますね。
もともと家族で劇団四季や宝塚歌劇などを年に1~2回くらい観に行っていたので、「舞台」というものがそもそもなじみのある文化でした。
多数の演目を観る? ひとつの作品を何公演も観る? 観劇スタイルは?
ひとつのものをたくさん観る方が多いですね。2.5次元ミュージカルの場合、最初は作品への興味から足を運ぶことが多く、「今年の夏は〇〇」という具合で偏ってることが多いです。2.5次元ミュージカルは原作ありきが基本なので、私はもともと好きな原作の舞台を観に行きます。知らない原作の舞台には行きません。とはいえ、コロナ禍以降は現地での観劇は控えていて、どちらかというと配信がメインとなっています。
2.5次元ミュージカルの「推しポイント」を教えてください

2.5次元ミュージカルの場合、初演から大千秋楽までの間に役者さんの成長が見られるんですよ。そこがほかの舞台と違うと思います。出演者には若い俳優さんが多いので、公演期間中にどんどん上達していきます。私はそれを感じるのがとても好きです。親心じゃないですけど、「お芝居も歌もこんなにうまくなってる!」と成長していく過程を見られるのがハマった要素として大きいです。コロナ禍で配信サービスの提供も進みましたが、やはり現場での高揚感が好きですね。
1年間の「推し活出費」はいくら?
私は現在、毎月2万円程度を上限に、年間20~25万円で運用しています。ただ、1カ月に〇〇円と明確に決めているわけではなく、3カ月~半年くらいの目安で予算を設定してやりくりしていますね。
私の推し活にはちょっと極端なところがあって、例えば推しの俳優さんが出演している舞台で見たいと思った作品のチケットは通える限り取ります。チケット代がだいたい8000~1万円なので、5公演なら約5万円、10公演で約10万円になります。そういう局所的な出費が年2~3回あり、ひとつの公演が終わったら、その後は推し活を少しお休みする、という感じですね。
家計管理はどのようにしていますか?
給与口座から推し活費・食費・その他費用を毎月定額でおろして、推し活費はクレジットカード決済用の口座に入金します。推し活費はカード払いばかりなのでカード決済口座が0にならないようにやりくりします。あまりお金を使わない月や逆によく使う月がありますが、預金残高が0円にならないよう気を付ければいいので、繰り越し額などを計算せずに済んでいます。
それ以外のお金も定額をおろすようにしているので残りは全て貯金とし、ある程度の額が貯まったら定期預金にしたり金融商品の購入に使ったりしています。
今の上限額はどうやって決めましたか?
10年ほど前までは月5万円ほど使っていましたが、転職をきっかけにお給料が下がってしまったので上限を設けました。「どれくらいまでなら下げられるだろう」と自分の今までの出費を振り返ったところ、「だいたい2万円までに収まるな」と分かりました。
最初に「2万円に収めよう」としていたわけではなくて、結果的に2万円に落ち着いた感じです。頑張って減らすぞ!というより、「あ、これはいらないな」という気付きが積み重なっていきました。
家計管理を見直す中で「これは不要」と思った出費は?

まず推し活で省いたものはグッズ系ですね。パンフレットやライブグッズはほとんど買いません。推し活にお金をかけるのは配信も含めたチケット代に絞っています。
ハマり立ての頃は「推しが映っているものはなんでもほしい!」と購入していましたが、私はあまりグッズを飾るタイプではなく、家に持ち帰ってすぐにしまってしまいます。結果的に半年に一回も見ていないとハタと気付きました。それはもったいないなと思い直し、今は買わなくなりました。その分チケット代に回しています。
推し活以外では、格安スマホに切り替えたり、サブスクサービスを見直して契約を解除したりしました。
作品を目的に観た舞台で「俳優さん」にハマることはありますか?

それはありますね(笑)。実際、最初に観た舞台から推し続けている俳優さんが2人います。今は2.5次元ミュージカルを離れていますが、出演している舞台や作品はなるべく観に行きます。
俳優さんにハマって突発的な観劇が増え、予算オーバーすることはありますか?
全くないとは言いませんが、少ないと思います。というのも、私は滋賀県に住んでいるので推し活でもっとも出費がかさむのは交通費です。観劇地は主に大阪ですが、愛知・東京・福岡などに行くことも多いため、交通費やホテル代がチケット代よりも高くなることもあります。コロナ禍になる前は移動によく夜行バスを利用して交通費を抑えていました。宿泊もカプセルホテルなど安価なところを探します。
なので突発的な公演に関しては、劇場が遠い場合は交通費やスケジュールを鑑みて諦めることが多いです。一方、京都や大阪など、足を運べる範囲の場合は「ここで見なかったら後悔するのでは?」と予算と気持ちを天秤にかけて結果的に観に行くこともあります。
諦める場合も観劇する場合も、開催地は判断基準の大きな要素になりますね。
SNSなどでエネルギッシュな人たちの姿勢に影響されることはありませんか?
そうですね……もし私が大学生くらいで、SNSでみんなが楽しんでいる様子をリアルタイムで実感したら「私ももっと行きたい!」とそわそわした気持ちになったかもしれないですね。今は“後方彼氏面”じゃないですけど(笑)、落ち着いて楽しめています。

思い返すと10年前は私も「全通する!」と意気込む側でした。大学生の頃はバイト代を全額つぎ込んで通うこともありました。大学の時は今よりももっと劇場が遠い山口県に住んでいて、「東京」か「大阪」の二択で交通費をひいひい言いながら捻出して、夜行バスで帰ってきてそのまま大学に行く……なんてことをやってましたね。会社員になってからも、若い頃はそのまま出社することもありました。
エネルギッシュに活動することを「楽しい」と感じられているならいいですが、もしも「しんどい」と感じているなら辛いなと思います。観劇はあくまでも趣味ですし、自分がどれだけ身を削って通っても、公演側にとってはチケットは純粋に一枚でしかないのです。
楽しみとしんどさの天秤がつりあっているならいいですけど、しんどいが大きいようだったらバランスを取れるように見直してみるといいですよね。仕事じゃないのに「しんどい」が5割を超えたら趣味の意味がなくなっちゃうなと。
私もやるだけやって今があり、当時よりも倍以上年を重ねて、一歩引いた視点で考えられるようになりました。昔はハチャメチャにお金を使っていたからこその学びになってます。
「やってしまった」と後悔した推し活出費があれば教えてください
出演者や原作などで「きっと面白いだろう」と期待して十数回分のチケットを取った舞台が全く面白くなかったときは「失敗した……」と後悔しました。
自分以外の人もそう感じたようで、チケットを譲渡に出したのですがなかなか買い手がつかず……。ただ、「空席は作りたくない」という強い思いがあるので、面白くないと思いながらも残りの公演に通い続けました。
失敗はその後の推し活に影響しましたか?
大量にチケットを買う際にはそのときの後悔が頭をよぎるようになりました。ただ、それにより購入枚数を減らそうということにはならなかったです。人気の舞台はチケットが発売日に売り切れてしまうので、後から買い足すことができない分、常に買えるだけ買っておこうと考えてしまうのです。映画と違って封切後の評判で見に行ったり、見る回数を容易に増やすことができないのが難しいところです。
推しが出演していると「見たい」と思う気持ちは膨れますが、それ以外のマイナス要素が大きいとチケットを買うところまでは到達しないです。逆に推しキャストさんがいなくても、演出や脚本が自分の好きな人だったら観に行ったりもします。俳優さんのことはもちろん応援していますが、「観劇」そのものが推し活の中心ですね。
「カットしてもいいかも」と感じている出費があれば教えてください
DVDの購入ですね。配信チケットとDVDの両方を購入することが多いのですが、DVDだと場所もとるので配信だけでもいいかなと思うことがあります。ただDVDのみの特典映像などがあることもあるので悩ましいです。
たくさん通った舞台でも円盤を買わないことはよくあります。買えばそこそこ見直すんですが、やっぱり「そこそこ」なんですよね。私は「劇場に観に行く」というのがもっとも優先順位が高いです。
今後の推し活で「できればここまでお金をかけてみたい」と思っていることがあれば教えてください
コロナ禍が落ち着いたら、交通費と宿泊費をかけて、遠征がてら観光も楽しんでみたいです。でも仮に臨時収入があったとしても、ひとまずは貯金に回します(笑)。推し活歴的な落ち着きもあって、何が何でも推し活に投資!とはならないですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。