書評家・ライターの江南亜美子が、バイラ世代におすすめの最新本をピックアップ! 今回は、社会が強者に都合よくできているとの気づきをくれる小説2作、市川沙央の『ハンチバック』と高瀬隼子の『いい子のあくび』をご紹介します。
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社会が強者に都合よくできているとの気づきをくれる、小説2作。その心の叫びとは

先天性ミオパチーという難病を患う釈華は、背骨が湾曲し、電動車椅子と人工呼吸器に頼って生きる女性だ。痰の吸引が必須で会話は困難でも読むのは得意。ライターとして体験したこともない風俗レポートを書いたり、大学生として卒論を準備したりしている。重い本を読む姿勢は負荷がかかるため、健常性が要求される「読書文化のマチズモ」を憎んでもいる。
『ハンチバック』
市川沙央著
文藝春秋 1430円
「本当の息苦しさも知らない癖に」
重度障害者である40代女性を主人公に、ままならぬ体で生きる困難と尊厳の問題が、圧倒的な饒舌体で描かれる小説作品。著者本人が当事者と公表し、デビュー時から話題を呼ぶ。最新芥川賞受賞作。
これも気になる!

『いい子のあくび』
高瀬隼子著
集英社 1760円
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2023年10月号掲載