09.27Sun/日

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「早食い」より怖い?血糖値スパイクの本当の原因と対策3つ|管理栄養士が解説

「早食いは健康によくない」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。 実際、早食いは食後の血糖値が急上昇しやすくなる要因の一つとされています。では、ゆっくり食べることを意識していれば、食後の血糖値の急上昇は防げるのでしょうか。 実は、食後に血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」には、早食い以外にもさまざまな要因があります。普段何気なくしている食べ方の中にも、血糖値を急上昇させるポイントが隠れているかもしれません。 この記事では、管理栄養士の視点で血糖値スパイクの原因を整理しながら、今日からできる対策を3つご紹介します。

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇し、その後急降下する状態のことです。医学的には「食後高血糖」と呼ばれ、国際糖尿病連合のガイドラインでは食後1〜2時間の血糖値が140mg/dLを超える状態と定義されています。

空腹時の血糖値が正常でも、食後だけ血糖値が急上昇しているケースは少なくありません。通常の健康診断では空腹時血糖値やHbA1cを見ることが多いため、こうした食後高血糖は見逃されやすく、「隠れ糖尿病」と呼ばれることもあります。血糖値の急激な変動は血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させる一因になるとも言われています。

眠気
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血糖値が急上昇したあと、それを下げようとインスリンが多く分泌され、今度は血糖値が下がりすぎてしまうことがあり、これが食後の強い眠気やだるさの一因になると考えられています。日々の栄養相談でも、昼食後の強い眠気に悩んでいるという声をよく耳にします。ですが、このあとご紹介する対策を実践することで、眠気が軽くなったと喜んでいただくことも少なくありません。

早食いだけが原因じゃない

血糖値スパイクの原因として、よく取り上げられるのが「早食い」です。確かに、よく噛んでゆっくり食べることで食後の血糖値が抑えられるという研究報告はあります。ただし、噛む回数による効果は朝と夜とで異なることも分かっており、「早食いさえ避ければ安心」というほど単純な話ではありまあせん。

早食いと同じか、それ以上に注目したいのが次の3つです。

一つ目は、食べる順番です。結果的には同じ量・同じ栄養素を摂っていても、炭水化物を先に食べるか後に食べるかで、食後の血糖変動に差が出ることが報告されています。

二つ目は、朝食を抜くこと。朝食の内容や有無が、その日の昼食後・夕食後の血糖値にまで影響することが分かっています。

三つ目は、睡眠不足。日本人を対象にした研究では、睡眠時間とインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)との間に関連があることが報告されています。ただ、睡眠不足が直接の原因とまでは、この研究だけでは判断できません。睡眠と血糖値にはどのような関係があるのか、引き続き研究が進められています。

こうした要因は、早食いよりも見過ごされがちな分、対策の余地も大きいと言えます。ここからは、今日から取り入れやすい対策を3つご紹介します。

対策1|食べる順番を変える(ベジファースト)

ベジファースト
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炭水化物(ご飯やパン)を最後に、野菜やたんぱく質を先に食べる「ベジファースト」。ある研究では、同じ栄養量の食事でも、野菜→たんぱく質→炭水化物の順で食べることで、炭水化物を先に食べた場合と比べて血糖の変動幅が30%以上小さくなり、インスリンの分泌量も抑えられたと報告されています。野菜に含まれる水溶性の食物繊維が、糖の吸収をゆるやかにすることが関係していると考えられています。

コンビニ弁当や外食では、サラダやお浸しなどの野菜のおかずから箸をつけてみましょう。そばやうどんなどの麺類を食べるときも、野菜の小鉢やお浸しなどを一品プラスし、先に食べてから麺を食べる、といった工夫ができます。

対策2|食後に軽く体を動かす

食後に座りっぱなしで過ごすよりも、軽く体を動かした方が血糖値の上昇を抑えられることが分かっています。2型糖尿病がある人を対象にしたある研究では、1日のうちで好きな時間に30分歩くよりも、朝・昼・晩の食後にそれぞれ10分ずつ歩く方が食後の血糖値をより効果的に抑えられ、特に夕食後は2割以上血糖値の上昇が抑えられたと報告されています。

食後歩く
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意識するだけではなかなか続かないため、あらかじめ「食後に歩く」習慣を予定に組み込んでおくのがおすすめです。

例えば、外回りの仕事を昼食後に入れたり、午後の会議は少し離れた会議室を選んだり。仕事や日常の予定に、自然と体を動かせる機会をつくってみましょう。

歩くのが難しい場面では、立っているだけでも構いません。たとえば食後に電車で移動するときは、座席に座らず立って過ごすのも一つの方法です。座っているよりも立っている方が、消費エネルギーはわずかに多いことが報告されています。

対策3|朝食を摂る(3食のリズムを整える)

朝食
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朝食、特にたんぱく質を含む朝食を摂ると、朝食後だけでなく、その日の夕食後の血糖上昇まで抑えられることが報告されています。卵、大豆製品、肉、魚などたんぱく質を含む食材を手のひら1つ分程度、取り入れられると良いですね。
例えば「納豆ごはん」は朝に時間の余裕がない方でも取り入れられるうえ、1品で栄養バランスが整いやすい理想的な朝食メニューのひとつです。

ただし、朝食を摂っても昼食を抜いてしまうと、この効果は失われてしまいます。朝食をとる習慣を作りつつ、3食のリズムを整えることを意識しましょう。

まとめ

血糖値スパイクは、健康診断では見つかりにくいものの、血管に負担をかけ続ける状態です。食べる順番、食後の運動、そして3食のリズムを整えること。どれも今日から取り入れやすい方法です。

栄養相談でも、実際に試してみて効果を感じられたという声をよくいただく対策なので、ぜひ試してみてくださいね。全部を一度に完璧にする必要はありません。気になったものを一つ、今日の食事から始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献
・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 「食後高血糖」
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第3章 食事療法
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第4章 運動療法
・今井佐恵子、梶山静夫「食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える」化学と生物 56(7): 483-489 (2018) 
・Xiao K, Furutani A, Sasaki H, Takahashi M, Shibata S. “Effect of a High Protein Diet at Breakfast on Postprandial Glucose Level at Dinner Time in Healthy Adults.” Nutrients. 2022;15(1):85.
・”A J-shaped Relationship between Sleep Duration and the Risk of Insulin Resistance in a General Japanese Population” Internal Medicine誌

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この記事のライター

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