「器」使いが素敵なインスタグラマー100人でつなぐリレー連載。お気に入りの器を選ぶ目、器とお料理のコーディネートが卓越している「料理上手」さんたち。今回は、細やかな器選びのセンスが長けているかよこさんが登場します。
今日の料理上手さん

器の組み合わせや細やかな技術で美しい食卓を築き上げるかよこさん。食卓写真だけでなく、家族のためにつくる彩り豊かなお弁当写真にもアイデアが詰まっており、フォロワーからの人気を集めている。
だから、やっぱり器が好き

ーー器を好きな理由や、器を使うことで起きる心の変化について教えてください。
「何段階かの喜びがあります。キッチンに立った時、今日はどの器を使おうか、どの器を合わせようか、器あわせの時間。
その日の天気、季節、行事に合わせて選ぶ時。作った料理を盛り付けた時に、美味しそうに仕上がった時。食卓に並べて、全体のバランスが取れていたと感じた時。食卓に集まった人たちから『わあ!おいしそう!』『早く食べたいー』と聞けた時。今日も楽しませてくれてありがとうと食器棚に片付ける時」
「器えらび」のこだわり、あれこれ
ーー「器えらび」のポイントを教えてください。

「かなり実用的な面で選んでいます。ハレの日の器以外は、同じものを1〜2枚ずつ。ですから基本的には、自分が使いやすい形と高さを把握し、それに合うものを選んでいます。
柄や色はよく使っている器と合うか、合う器がいくつか思いつくか。形や大きさは収納に困らないか。実際に使っている様子(食卓や料理)を想像できるかどうか。
盛り付けたあと片手で運ぶことが多いので、持ってみて厚みや重みは好みか、片手で持ち上げられるかどうか。なるべく悲しみたくないので、欠けやすい形をしていないかどうか。
ワンプレートでも一品でも使えたり、他の器とケンカしない色や柄、アクセントになる形か、飲み物から汁物、小鉢として使えるかなど応用しやすいかどうか。買い足す器は、丈夫でスタッキングしやすかったもの。
番外編として、人が集まった時の大きな器、木箱や重箱に合うかどうか」
わたしのお料理は、あなたに夢中
ーーお気に入りの器ブランド・器作家さんを教えてください。
陶房「心和庵」中里博彦・博恒

「料理好きの母と、家族を美味しいお店に連れて行くのが趣味の父という環境で育ったこともあり、骨董や美しい器が日々の暮らしの中にありました。また、子どもの頃から茶道や古典柄の着物が好きだったり、二十歳前後から少しずつ洋食器や磁器を自分で購入するようになったこともあり、器は自分の中ではとても身近な存在でした。
ある時、偶然通りかかった展示会で心和庵さんの器を見た際に、フォルムと染付や絵付けの美しさに衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
古典柄・伝統柄なのに新しくも見える、繊細なのに安心して使える、器を魅せたくて使ったのにお料理を美しく魅せてくれる、温かみのあるどっしりした陶器を繊細な雰囲気に変えてくれる、何より口当たりが良く手に取りやすい……、などその魅力は尽きません」

「私にとって、今日はこの器を使いたいから『メニューは何にしよう』『器を美しく魅せたいから丁寧に料理しよう』『家族や友達が集う食卓を華やかに』と思うことのできる大切な器です。
家族の誰かが末長く使い続けてもらって、いつか骨董として引き継いでほしいとも思う器です」
溺愛!器コレクション3選
ーー愛用する器の中から、とっておきの器を3つ選ぶとしたら?
古染花唐草シリーズ|心和庵

「とにかく好きなんです。『どんな器に合わせよう』『どんなお料理が合うのかしら』と思いを馳せてしまう器たちです。
私は比較的落ち着いた色合いの器が多いので、大きな鉢やリム皿は大人数で食卓を囲む大皿料理の際に華やかに演出してくれる気がします。古染花唐草は、和食だけでなく洋食中華にも合い、磁器だけでなく陶器にも合わせやすいと思います」
三島皿|井上茂

「丈夫で盛り付けると何でもサマになる、表情豊かな渋くてカッコ良い器。一点一点の個性が豊かなので、展示会で時間をかけて選ぶのも楽しみのひとつです。
井上さんの器は、朝・昼・夜、必ず3回食卓に登場します。炒め物をこんもり盛り付けたり、フライパンをひっくり返してそのまま餃子をドンと乗せたり、湯飲みや蕎麦猪口は小鉢にしたり……。大皿は平らな部分が広いので、磁器やガラスの小さな器を合わせてワンプレートにするのにも使いやすい形で重宝しています」
染付けの器|沼田智也

「沼田智也さんの染付けの器は、古典柄だったり、ユーモアのあるおばけ、UFO、ネッシー、おかめ、人魚や蛸など……。食卓に集まった人たちをクスッと笑わせたり話題を提供してくれます。真面目な染付けも柔らかく優しいものが多いので、他の器とも合わせやすく、器あわせの時間も楽しくしてくれます」
運命の器と出逢う場所
ーーいつも器を購入するお店を教えてください。
うつわshizen

「暖簾をくぐってお店を覗いた時に、店主のやよいさんの姿を見つけると嬉しくなるお店です。
気になる作家さんの展示会はもちろんのこと、一階の常設が特に好きで、棚の一番下の段までくまなくチェックする時は、掘り出し物を見つけるようなワクワク感があります」
UTSUWAGALLERY千鳥

「作家さんの展示会だけでなく、時間ができたときには訪れるお店です。常設の器が豊富で、お料理を想像しやすいものばかり揃っているので、行く度に新しい発見があります。
アンティークや骨董の什器を眺めるだけでもあっという間に時間が過ぎてしまうお店では、店主の柳田さんが器について教えてくださるのもとても楽しい時間です」
「器えらび」をもっと楽しく

ーーこれから器を買われる方、器をどう選んでいいかわからない方にアドバイスをお願いします。
「アドバイスと言えるようなものは自信がありません。ですが、上記の器選びのポイントと器をつかった時の気持ちを見ていただければわかるように、その器を手にした時に好きだと感じた上で実用性についてチェックし、買ってみたけれど毎日の食卓には合わない、収納しづらくて使う頻度が減ってしまった等の残念な思いは避けるように心がけています。
定番の形に、アクセントとして変化のある形のものを足す際には、小ぶりのものが使いやすいと思います。また、家庭では高さがありすぎると他の器と合わせづらいので、酒器や小鉢や、高坏は何段階か高さを決めて購入しています」
今、気になる「料理上手さん」
ーー日頃参考にしている「器えらび」が得意な料理上手さんを教えてください。

「作家さんの器からそうでないものまで、バリエーション豊かな器たち。つい、『その器はどこで見つけたの?』と質問してしまいます。
マキさんの手にかかるとお料理も器もいきいきしています。そんなマキさんの器を選ぶ時のポイントや収納についてもぜひ伺いたいと思い、バトンを引き継いでいただきました」
次回は @ururun_u.u さんに「器」のこだわりを教えていただきます。どうぞお楽しみに♪