ホームプラクティス(おうちヨガ)は、意外と難しい。というのも、ホームプラクティスを深めようとしてがんばりすぎてしまい、それが新しい執着となってしまうというのだ。そういった執着から解き放たれ、バランスを整えるシークエンスを紹介する。今日からのおうちヨガに取り入れてみては。
「努力すること」が必ずしもいいことばかりではない?
ヨガのレッスンを受けると誰でも気分がよくなるものだが、ひとりでヨガに行ってインスピレーションを得るのはそれほど簡単ではない。ホームプラクティスを深めるには、確かに真面目な取り組みが必要だが、柔軟さも重要である。ポーズを習得したい気持ちや、プラクティスの成果に対する強すぎるこだわりなど、身体的、精神的または感情的な執着を手放せる資質が求められるということだ。
ウッティターハスターサナインターダーサナ(上向きの礼拝)
肩関節をゆるめたい衝動にかられているか観察しよう。肩関節はすでに十分ゆるんでいるかもしれない。ここでは、肩関節をゆるめるためではなく、安定感を得るためにアビヤーサが必要だと考えよう。

上向きの礼拝(Photo by DAVID MARTINEZ)
マットを壁に垂直に置く。壁に向かって足を腰幅に開いて立つ。かかとをやや外側に向けて、足の外側がマットと平行になるようにする。息を吸いながら、両端を弧を描くように頭上に上げる。肩甲骨を押し下げてしまわず、翼のように背中の上部に開いておく。合掌して指先を天井に伸ばし、足裏全体でマットを押して、エネルギーを引き上げる。目線を柔らかくして、数回ゆっくり深く呼吸をする。息を吐きながら、両足をゆっくり体側に下ろしたら、もう1回行う。
アドームカーシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ バリエーション)

下向きの犬のポーズ バリエーション
腕の長さだけ壁から離れて、壁向きに立つ。両足は少なくとも30センチ程度開く。あごを引いて前屈していき、肩よりやや高い位置に手のひらを置く。指を開き、親指側を強く押しつける。腰を壁から引き離すように動かし、背筋を伸ばす。腰、膝、足首が縦に揃うように、足の位置を調整する。腹筋を少し働かせて、背骨のほうに引き上げる。この姿勢を数回呼吸する間保ったら、壁に向かって歩いて立位に戻る。
ヴィーラバッドラーサナIII(戦士のポーズIII バリエーション)

戦士のポーズIII バリエーション(Photo by DAVID MARTINEZ)
息を吸いながら、壁に向かったダウンドッグに戻り、右脚を上げる。両手で壁を強く押して、体を横軸に沿って伸ばす。腰の右側をやや上げて、非対称ながらバランスよく骨盤の位置を決める。壁を押し続ける力を感じながら(アビヤーサ)、部屋の中心に向かって体を伸ばす。この姿勢を3〜5回呼吸する間保ったら、脚をゆるめて反対側に移る。
アルダチャンドラーサラ(半月のポーズ バリエーション)

半月のポーズ バリエーション(Photo by DAVID MARTINEZ)
このポーズも壁に向かったダウンドッグから始める。息を吸いながら、右脚を上げて戦士のポーズIIIに入り、骨盤を回転させながら、右腰を引き上げ続けて、上体を右に回転させる。左手の指先を床(またはブロック)に置く。右手の指先を壁の高い位置に持っていき、安定する位置をみつけて体の横軸を回転させる。頭部を回転させたい気持ちを抑えて、正面を見て、背骨の延長線上に首がくるようにする。息を吐きながら右足を床に下ろす。反対側も同様に行う。
ウッターナーサナ(立位前屈)

立位前屈(Photo by DAVID MARTINEZ)
反対側でも半月のポーズを行ったら、ゆっくり立位前屈に入る。首の裏側を柔らかくして、頭部をぶら下げる。腕を組んで肘をつかむ。脚の裏側のストレッチが強すぎると感じたら、ブロックの上に手をのせて肘を伸ばし、両足の間隔を広げてみよう。「手放す(ヴァイラーギャ)」精神で数回呼吸したら、たっぷり息を吸いながら立位に戻る。
トリコナーサナ(三角のポーズ)
両足を120センチ以上離して立ち、左足は外向きに、右足はやや内向きにする。息を吸いながら、腕を床と平行にする。骨盤に意識を向ける。骨盤が水を入れたボウルのようなものだと考えよう。股関節の左側から下げていき、骨盤をやや前方に傾けて、ボウルの水を左脚に注ぐイメージを持とう。左手を足首またはブロックに持って行き、右腕は天井に向かって伸ばす。

三角のポーズ(Photo by DAVID MARTINEZ)
ウッティターパールシュヴァコナーサナ(ブロックを用いて横に伸ばすポーズ)

ブロックを用いて横に伸ばすポーズ(Photo by DAVID MARTINEZ)
プラサリタパードーッターナーサナ(立って両足を伸ばすポーズ)
左足先を内側に向けて、両手を足首に持っていく。柔軟性に余裕があれば、尾骨を少し下に丸めて、背骨がゆるやかな長いカーブを描くようにしよう。ブロックで頭を支えてもいい。ただし、そうするときはあごを引いて首の裏側を伸ばす。穏やかにポーズに入っている間、吐く息に意識を集中させて、深い休息からもたらされる「手放す感覚(ヴァイラージャ)」に浸ろう。この姿勢で3 ~ 5回呼吸して、息を吸いながら上体を起こす。

立って両足を伸ばすポーズ(Photo by DAVID MARTINEZ)
ヴィーラバッドラーサナI(戦士のポーズI)
左足先を外側に回し、左膝を曲げ、横に伸ばすポーズ(左側)に戻る。息を吐きながら、右かかとを遠くに離し、力強く息を吸いながら、右足をマットに押しつけて、体を引き上げながら戦士のポーズIIに入る。両脚の力強い動きによってアビヤーサを経験しながら、両腕を十分に広げる。目線は左手の指先に向ける。

戦士のポーズI(Photo by DAVID MARTINEZ)
ポーズを解くには、左脚を伸ばして、右側の三角のポーズ( 6番のポーズ)に入る前の姿勢に移る。
ナーヴァーサナ(舟のポーズ)
6から9のポーズを右側でも行ったら、マット中央に座る。体重を後ろに移動させて仙骨の最も低い部分で座り、膝を胸のほうに持っていく。背中を少し丸めて、体を安定させるために腹筋を十分に働かせる。仙骨の中央部分でバランスをとり、脚を伸ばし、親指が上にくるようにして腕を床と平行に伸ばす。この姿勢を5回呼吸する間保つ。できるだけ柔らかくゆったりとした呼吸を心がける。

舟のポーズ(Photo by DAVID MARTINEZ)
スプタパダングシュターサナ(ストラップを用いて、横たわった足の親指をつかむポーズ)
舟のポーズを終えたら、仰向けになってヴァイラージャのときを味わう。準備が整ったと感じたら、息を吐きながら伸ばした左脚を引き上げて、足
裏の中央にストラップをかける。腕と肩が緊張しないように、ストラップをゆるくつかむ。右かかとの内側をマットに強く押しつけて右脚に意識を
向け続けながら、左膝をまっすぐに伸ばす。ポーズを行っている間、自然な呼吸を保つ。5回呼吸する間保ったら、反対側も同様に行う。

スプタパダングシュターサナ(Photo by DAVID MARTINEZ)
ジャタラパリヴァルタナーサナ(腹部のねじりのポーズ)
左脚を上げてスプタパダングシュターサナに戻る。甲を体のほうに向けて、右手でストラップの両端をつかむ。腹部をねじって、左脚を右側の床に倒す。右脚はまっすぐ伸ばし、左手(写真では見えない)は体からできるだけ離してダイナミックな動きを生み出す。吐く息に意識を集中させて、十分にストレッチする。5回呼吸する間保ったら、反対側も同様に行う。

ジャタラパリヴァルタナーサナ(Photo by DAVID MARTINEZ)
バッダコナーサナ(頭を支えた合せきのポーズ)
両足の裏を合わせて座る。かかとを少なくとも20センチ程度体から離す。ブロックかボルスターで頭を支える。椅子の座面を利用してもよい。あごを引いて、首の裏を長くしよう。この姿勢を保ってゆっくりとした均等呼吸を数回行い、解放感が徐々に高まっていくのを観察する(腰の健康のために、骨盤が前傾していることがきわめて重要である。前傾させるのが難しい場合は、床と垂直に座ったままあごを下げるか、畳んだブランケットの上に座って前傾の動きをしやすくする)。

バッダコナーサナ(Photo by DAVID MARTINEZ)
シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)
少し時間をかけて、ゆったりと心地よく感じられる体勢をとる。頭部、肩、膝、足首を支える。携帯電話を機内モードに切り替え、タイマーを15分にセットする。体にブランケットをかけたり、目の上にアイピローか柔らかい布を置いてもよい。腕を大きく開いて手のひらを天井に向け、手放す姿勢をとる。あごをそっと引き、頭蓋骨の裏側を背骨から離す。呼吸が軽く柔らかくなっていく様を観察する。

シャヴァーサナ(Photo by DAVID MARTINEZ)
指導 & モデル/ジュディス・ハンソン・ラサター
1971年からヨガを指導し続けている。ヨガジャーナルを共同で創刊し、ヨガに関する著書が8冊あり、アメリカ国内外で幅広くヨガの指導を行っている。モデルのリジー・ラサターはジュディスの娘で、オンラインヨガレッスンのほか、国際的なワークショップやヨガカンファレンスで指導を行っている。ラサター親子がヨーガスートラするオンラインクラスをお見逃しなく。