このシリーズでは、管理栄養士が知っておきたい健康管理のポイントについて教えます。今回は、「腸活の食べ物」について。この記事では、腸活に取り入れたい6つの食べ物をご紹介します。取り入れ方のポイントや、おすすめレシピも。ぜひ参考にしてくださいね。
腸活で取り入れたい食べ物は?

ヨーグルト
腸内環境を整えるには、「善玉菌」を含む食品を摂ることが大切です。善玉菌は、便秘やストレスによる「悪玉菌」の増殖を抑えてくれます。ヨーグルトには、善玉菌の一種である「ビフィズス菌」が含まれています。ビフィズス菌には、腸のはたらきをよくする、腸内で有害な菌の増殖を抑えるなどといった作用があります。
デザート感覚でそのまま食べられるヨーグルトは、腸活に取り入れやすいですよ。(※1,2)
納豆
納豆には善玉菌の一種である「乳酸菌」や、「納豆菌」が含まれています。納豆菌の特徴は、酸に強いこと。胃酸に耐えて生きた状態で小腸や大腸上部に届き、善玉菌の増殖を助けてくれますよ。
納豆は調理をせずに食べられるので、料理を準備する時間がないときや、手軽な副菜がほしいときに活用できるのが魅力ですね。(※3)
漬物
漬物やキムチには、腸内菌のバランスをとるためにはたらく「乳酸菌」が含まれています。乳酸菌には、大腸菌をはじめとした悪玉菌の増殖を抑える、便通の改善にはたらくといった作用があります。
腸活に役立つ食品のひとつですが、塩分が多く含まれているため、食べ過ぎには注意してくださいね。(※1,4)
きのこ
腸活では、食品から善玉菌を摂るだけでなく、腸内にもとから存在している善玉菌を増やすことも大切です。きのこに多く含まれる「食物繊維」は、大腸において善玉菌のエサとなるため、善玉菌の増殖に役立ちます。
きのこのなかでもとくに食物繊維が豊富なのは、えのきたけやしいたけです。汁物の具や、副菜に取り入れてみてくださいね。(※1)
ごぼう
食物繊維は、さまざまな野菜に含まれていますが、とくにごぼうに豊富。100gあたりの含有量は、5.7gです。また、食物繊維と同様に善玉菌を増やすのに役立つ「オリゴ糖」も、ごぼうに多く含まれています。
ごぼうは下処理に手間がかかりますが、きんぴらごぼうや煮物などの作り置きを用意しておくと、手軽に食物繊維が摂れますよ。(※1,5)
バナナ
食物繊維が豊富に含まれており、腸活に役立つ果物のなかでも、とくにおすすめなのはバナナです。食物繊維の含有量は100gあたり1.1g。また、オリゴ糖が多く含まれているのもメリットです。
皮をむくのに包丁がいらないため、朝食やデザートとして手軽に食べられるのがうれしいですね。(※5)
腸活を心がけるメリットは?

便秘対策になる
腸内の悪玉菌が作り出す有害物質には、腸管を麻痺させる、大腸の運動を滞らせるなどといった作用があります。そのため、悪玉菌が増殖して腸内細菌のバランスが崩れると、便秘の症状が出ることも。とくに善玉菌の数が少なくなりがちな高齢者の方は、注意が必要です。
善玉菌を増やすと悪玉菌の増殖を抑えられるため、腸活は便秘対策になりますよ。(※1,6)
下痢対策になる
便秘の原因となる悪玉菌ですが、下痢を引き起こすこともあります。悪玉菌が生成する有害物質を身体の外に出そうと、大腸の運動が活発になるためです。このとき、有害物質だけでなく善玉菌も体外に排出されるため、放っておくと悪循環に陥るおそれが。
下痢は腸内環境が乱れたとき、初期に起こる症状のひとつ。もし頻繁に下痢の症状が現れる場合は、腸活をおこなって対策しましょう。(※6)
免疫を維持する
腸には「腸管免疫」という免疫システムが備わっており、ウイルスや細菌などの病原体から身体を守るはたらきがあります。腸内環境が悪化すると、腸管免疫の機能が衰えてしまうため、注意が必要です。
また、善玉菌の構成物質には、免疫力を高める作用があることも明らかになっています。免疫を維持するために、善玉菌を増やす腸活が役立ちますよ。(※1,6)
腸活の食べ物を取り入れるうえで大切なことは?

ヨーグルトや納豆など善玉菌を含む食材を「プロバイオティクス」、食物繊維やオリゴ糖など善玉菌のエサとなる成分を含む食材を「プレバイオティクス」といいます。これらを合わせて摂る「シンバイオティクス」は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの相乗的作用が期待できるため、腸活におすすめです。
たとえば、ビフィズス菌を含むヨーグルトに、オリゴ糖と食物繊維を含むバナナを加えるといったように、食材の組み合わせを意識しましょう。オリゴ糖は特定保健用食品として販売されていますが、摂りはじめは下痢を引き起こすことがあるため、注意してくださいね。(※1,7)
管理栄養士がおすすめ!腸活レシピ10選
1. 長ねぎ入り納豆チャーハン

ランチにぴったりな、納豆チャーハンのレシピです。納豆からは、善玉菌の一種である乳酸菌や納豆菌を摂れますよ。ポイントは、善玉菌を増やす作用を持つ「オリゴ糖」が含まれているねぎを加えること。シンバイオティクスを実践できますよ。(※1,7)
2. アボカドとヨーグルトの冷製スープ

ビフィズス菌が含まれるヨーグルトを、そのまま食べるのに飽きてしまったら、料理に活用するのがおすすめ。こちらはコンソメスープにアボカドとヨーグルトを混ぜて作る、冷製スープです。
アボカドには、食物繊維が多く含まれているので、善玉菌の増殖に役立ちます。(※1)
3. 牛肉入りピリ辛きんぴらごぼう

食物繊維が豊富なごぼうは、腸活のためにこまめに摂りたい野菜ですが、下処理が大変ですよね。こちらのきんぴらごぼうは、下味冷凍ができるレシピなので、時間がある休日にまとめて作っておくと便利ですよ。(※1)
4. たくあんと里芋のサラダ

たくあんと里芋をマヨネーズで和えて作る、ポテトサラダ風のひと品です。たくあんの塩気を味付けに活かしましょう。たくあんには乳酸菌が、里芋には食物繊維が含まれているため、シンバイオティクスの実践にもおすすめです。(※7)
5. 納豆とキムチのチーズ焼き

納豆、キムチ、チーズ……善玉菌が含まれるさまざまな発酵食品を一度に摂れる、腸活にぴったりなレシピです。シンバイオティクスをおこなうには、きのこや野菜など、善玉菌のエサとなるプレバイオティクスが含まれるおかずと組み合わせてくださいね。(※1,7)
6. しいたけと豚肉のそぼろ

食物繊維が豊富な、干ししいたけを使った作り置きおかずです。干ししいたけを豚肉と合わせてそぼろにすると、ごはんにのせたり卵焼きに混ぜたりと、さまざまなアレンジができますよ。また、味付けに使う味噌には乳酸菌が含まれています。
7. ごぼうとこんにゃくの甘辛煮

ごぼうとこんにゃくを、甘辛い味付けに仕上げる作り置きレシピです。豚肉を加えることで、満足感のある副菜になります。ごぼうとこんにゃくには、食物繊維が多く含まれているため、腸内の善玉菌を増やすのに役立ちますよ。(※1)
8. えのきポン酢

短く切ったえのきを電子レンジで加熱し、なめたけ風に仕上げるひと品です。ポン酢を加えることで、さっぱりとした味わいになります。ごはんにのせるだけで手軽に食物繊維が摂れるため、腸活におすすめのレシピです。(※1)
9. ホットバナナヨーグルト

食物繊維やオリゴ糖が豊富なバナナと、ビフィズス菌が含まれるヨーグルトを組み合わせたレシピです。手軽にシンバイオティクスを実践したい方におすすめ。バナナを皮ごと焼くと、甘さが増しておいしくいただけますよ。
10. バナナとマンゴーのスムージー

こちらは、バナナとマンゴーを使って作るスムージーです。これらの果物に豊富に含まれる食物繊維が善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれますよ。腸活中のデザートにぴったりなレシピです。(※1)
腸活に役立つ食べ物を取り入れよう!
腸活を心がけると、便秘や下痢の対策のほか、免疫力の維持にも役立ちます。腸活のポイントは、腸内の善玉菌の割合を増やすことです。まずは、納豆やヨーグルトをはじめとした、善玉菌が摂れる発酵食品を取り入れましょう。
また、善玉菌を増やすのに役立つ、食物繊維やオリゴ糖が含まれる食品も大切です。バナナ、きのこ、ごぼうなどを意識して摂ることをおすすめします。これらを使った作り置きおかずを用意しておくと、腸活を続けやすいですよ。できることからはじめてみてくださいね。
次回のテーマは「腸活に役立つレシピについて」です。
【参考文献】
※5 新ビジュアル食品成分表 新訂第二版|大修館書店
(2020/06/11参照)