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LOCARI(ロカリ)

梅干しの栄養を管理栄養士が解説。栄養を効率よく摂れるレシピ付き

酸味と塩味の強い梅干しは、ごはんのおともに大活躍。料理のアクセントとして、調味料代わりにも重宝しますよね。日本では古来より経験的に、梅干しを健康食品として利用してきました。実際梅干しの栄養成分にはどのような働きを期待できるのか、管理栄養士がおすすめのレシピと共にご紹介します。

梅干しの栄養と効能効果とは

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クエン酸

クエン酸はさわやかな酸味のある成分で、体内のエネルギー産生に欠かせない有機酸のひとつです。だ液や胃液の分泌量を増やし、食欲増進に繋がります。また、鉄やカルシウムなどミネラルの吸収率を高めます。(※1)

ポリフェノール

ポリフェノールとは植物の持つ色素成分やアクや苦み成分で、抗酸化力があります。梅干しに含まれるポリフェノールの一種「梅リグナン」は、酸化反応を抑制する作用があるといわれています。(※2)

カリウム

塩漬け梅干し1個(10g)あたり、44mgのカリウムが含まれています。

カリウムはナトリウムと共に細胞の浸透圧を維持している栄養素です。また、腎臓でのナトリウム再吸収を抑制し、尿中への排出を促進します。そのほか、心臓や筋肉機能の調節などさまざまな作用があります。(※3,4)

カルシウム

塩漬け梅干し1個(10g)あたり、7mgのカルシウムが含まれています。

カルシウムは骨や歯の主成分であり、人体にもっとも多く存在するミネラルです。骨形成にかかわるほか、細胞の分裂、神経の働きや筋肉運動を助けるなど生命の維持活動に関与しています。(※3,5)

塩漬け梅干し1個(10g)あたり、0.1mgの鉄が含まれています。

梅はりんごやみかんなどに比べて鉄分が豊富です。鉄は人体の中で赤血球、また貯蔵鉄として肝臓や骨髄、筋肉中などに存在します。梅干しの鉄分は、肉や魚などの動物性食物に含まれる鉄分より吸収されにくいので、動物性たんぱく質と組み合わせた食事をすると、吸収率がアップします。(※3,6)

ビタミンE

塩漬け梅干し1個(10g)あたり、0.03mg(Tr)のビタミンEが含まれています。

梅干しには微量ですが、ビタミンEが含まれています。ビタミンEは血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の溶血を防止し、血管を健康に保つことなど、役割はさまざまです。また、ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率が高まりますよ。(※3,7)

Tr……ごく微量であること

梅干しのカロリーや糖質量

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塩漬け梅干し1個(10g)のカロリーと糖質量

エネルギー量(カロリー)……3kcal
糖質量……0.7g(※3)

調味漬け梅干し1個(10g)のカロリーと糖質量

エネルギー量(カロリー)……10kcal
糖質量……1.9g(※3)

ほかの漬物と比べると

・らっきょう甘酢漬け(10g)
エネルギー量(カロリー)……14kcal
糖質量……2.9g

・きゅうりのぬかみそ漬け(10g)
エネルギー量(カロリー)……3kcal
糖質量……0.5g

梅干しのカロリーや糖質は、調味漬けより塩漬けのほうが低いことがわかります。塩漬けの梅干しを同量のらっきょうの甘酢漬けと比較してみると、カロリーは約1/5、糖質は約1/4です。ぬかみそ漬けに関しては、梅干しとさほど変わりません。(※8)

梅干しの栄養は単品でもバランスがいい?

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梅干しはミネラルや有機酸、ポリフェノールなどの機能性成分が含まれる栄養豊富な食品です。しかし塩分が高く、一度に食べる量は限られています。

また、梅干し単品だけでは私たちに必要な栄養を補うことができません。主食・主菜・副菜・汁物を意識したバランスの良い食事を基本に、梅干しをプラスしてみましょう。梅干しの塩分を利用して調味料代わりに使用したり、おかずのひとつとしてほかの食材と組み合わせることをおすすめします。(※3,9)

梅干しを食べるときには塩分に注意

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塩漬け梅干し1個(10g)には、2.2gの食塩相当量が含まれています。

厚生労働省が定めている日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、一日当たりの食塩摂取量目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。そこから考えると、梅干し1個で、一日の約1/3の食塩量を満たしてしまうことになります。

血圧を気にする方や食事に塩分制限がある方は、食べる量を調整したり、減塩タイプの梅干しを選ぶなど工夫してみましょう。(※3,10)

梅干しの栄養を効率的に取り入れる食べ方

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梅干しは塩分が多いため、一度に沢山食べるのではなく、小まめに食事に摂り入れましょう。つぶしたり、ペースト状にたたいてほかの食材に和えたりすると、調味料代わりに使用できますよ。そのように料理に加えることで、ミネラル成分の吸収率を高める作用もあります。

また、海苔でまいた梅干し入りおにぎりにすれば、梅干しに含まれるクエン酸の働きで、海苔のカルシウム吸収率が高まりますよ。(※1)

梅干しの栄養を効率的に取り入れるおすすめレシピ5選

1. 生姜が香るいわしの梅煮

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梅干しのほどよい酸味で、煮つけをすっきりとした味わいに。梅干しのクエン酸の力をかりて、いわしに含まれるミネラルの吸収率を高めます。圧力鍋で調理すれば、いわしは骨ごと食べられ、さらにカルシウムの摂取量がアップしますよ。(※1)

2. さっぱり蒸鶏の梅しそロール

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梅干しの酸味と塩分を味付けに利用する、鶏肉が主役の料理です。梅干しに含まれる鉄分は、体に吸収しづらい「非ヘム鉄」ですが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まります。(※6)

3. シャキシャキ豆苗のはちみつ梅和え

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こちらのレシピは、梅干しを調味料のひとつとして利用します。ボリュームたっぷりの野菜がしんなりするとかさが減り、食べやすいですよね。梅干しのビタミンEは、油とともに摂取すると体内に吸収されやすくなります。ごま油の香りをいかしつつ、栄養も上手に摂り込みましょう。(※7)

4. ボリューム満点梅と大葉のチキン入りおにぎり

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梅干しとごはんだけでは、食事全体としての栄養バランスが悪くなってしまいます。つぶした梅干しをおにぎりに混ぜ込み、鶏肉や大葉などをプラスすると、栄養価が高まりますよ。(※9)

5. さわやか風味きゅうりとツナの梅和え

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梅干しに含まれる有機酸のひとつであるクエン酸は、その酸味によって唾液や胃液の分泌を促す作用があり、食欲増進作用が期待できます。

またクエン酸の働きにより、きゅうりのミネラル成分の吸収率を高めたり、ツナの油が、梅干しの持つ脂溶性ビタミンの吸収率を高めるといった働きがあります。食材の組み合わせを上手く利用して栄養成分を摂り込みましょう。(※1,7)

梅干しの栄養を活かして料理を楽しもう

梅干しは、商品によって塩分量が異なったり、しそやはちみつで風味や甘さが違ったりとさまざま。栄養を知ったうえで、梅干しの酸味や風味を生かしたレシピをいろいろお試しください。

一点気をつけるならば、「塩分の摂りすぎ」です。健康のことを考えるなら、一日1粒までの量に抑えてくださいね!

【参考文献】

(2020/06/11参照)

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この記事のライター

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