プライベートで発生するちょっとした計算ならスマホが便利ですが、速さや確実性が求められるビジネス用途なら、やっぱり今も電卓が一番。そこで今回は、ネット通販で購入できるCASIO(カシオ)やSHARP(シャープ)など人気メーカーのビジネス系電卓から人気の13製品を『家電批評』がピックアップ。日常的に業務で電卓を使用している、いわば電卓使いのプロである公認会計士・税理士2名に検証を依頼し、おすすめランキングを作成しました!
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ただ、「表計算ソフトを立ち上げるほどじゃないけど、スマホだと時間がかかる」という微妙なラインってありませんか? あるいは、スマホを出すのがはばかられる状況で計算しなきゃいけないシーンってありませんか? そんなときには、やっぱりまだまだ従来の電卓が便利。というよりむしろ、簡単だからとスマホでやっている計算も、実は電卓を使うほうが早くて確実なんです。

当たり前ですが、電卓には物理的な「キー」があります。画面をタッチして操作するスマホに比べて打ち間違いが少なく、慣れてくればキーを見ずにタッチタイピングも可能。タイピングの速さでも、電卓のほうが断然上です。

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家庭用の電卓として広く普及しているタイプ。機能は最低限ですが、多様なデザインやカラーが選べます。10ケタ表示が一般的です。

ビジネス用途に特化した電卓で、税理士や会計士、経理の人などが使っているのがこのタイプ。早打ち機能や小数点セレクターを備え、ほとんどの実務電卓が12ケタ以上を表示できるようになっています。

関数や円周率を使うような、より複雑な計算が可能で、建築・設計などの仕事でよく使われる電卓です。

シャープ(SHARP)
EL-VN82
実勢価格:2336円
今回、プロ2名がテストした結果、1位に輝いたのはシャープ「EL-VN82」でした。勝因は、必要な機能がしっかり備わっていて、キーも打ちやすいこと。しかも、驚くべきことにキヤノン推しの鈴木氏、カシオ推しの辻村氏の両名とも高得点を付けていました。果たしてそのワケとは……。詳しくは本記事下部のランキングをご覧下さい!
先に紹介したベストバイのように、電卓ではキーの打ちやすさが評価の大きなポイントになります。ただ、その打ちやすさに大きく影響するのがサイズ。そして、実際に使用するときには画面の見やすさも重要になります。

まず、自分の手より、本体やキーが小さすぎると打ちづらいのはなんとなく想像できると思います。ただ、いくら単体のキーが大きく打ちやすくても、本体が大きすぎて違うキーを押すたび手を動かす必要が出てくると、使っていて腕が疲れてしまいます。要するに、電卓は使う人によってベストなサイズが変わります。自分の手のサイズに合った電卓を選ぶことも大切です。目安として、自分の手のひらにすっぽり収まるくらいのサイズを選ぶとよいでしょう。

また、手首を机につけた状態で全てのキーが操作できれば、腕に負担がかからないのでベスト(※一般的な人を想定しています。早打ちを意識する場合には、手首を机から離すほうが速度が出ます)。できれば購入前に確認を。なお、購入前に実物を見ることが難しい場合、仕様表などでサイズを確認し、自分の手のサイズと合っていそうかイメージするだけでも、失敗する確率を減らせます。

画面に表示される数字や記号は、大きく適度な間隔で、しかもクッキリと見えることが重要です。一部に存在するバックライト付きの製品でもない限りは、どれも似たように見えるかもしれませんが、比べてみると微妙に画面の明るさが違ったり、数字の大きさや濃さが違ったりします。また、数字同士の間隔が適度に開いていると、桁数が把握しやすくなるのですが、これも製品によって異なります。買い替えの場合は、とくにこの微妙な差がストレスになることもあるので、できれば画面の表示も事前にチェックしましょう。

なお、蛍光灯などの光の反射で画面の一部が見づらくなることがありますが、そうした環境で使用することがわかっている場合は、チルト(傾斜)機能を搭載した製品を選ぶと安心です。

今回、『家電批評』編集部がピックアップし、2人のプロが評価したのは、国内で販売されているビジネス向け電卓13製品です。といっても数がたくさんあるので、据え置いて使うことを想定し、ある程度大きなサイズを選んでいます。価格帯は、多くが5000円以内のモデル。

シャープ(SHARP)
EL-VN82
実勢価格:2336円
サイズ/W109×D180×H14mm
重量/約168g(電池含む)
打ちやすさ
46/50点
見やすさ(画面)
25/30点
タイプ音
9/10点
その他機能
6/10点
総合評価
86/100点
今回のビジネス系電卓ランキングでベストバイを獲得したのは、シャープが電卓発売50周年を記念してリリースした「EL-VN82」でした。ユーザーから要望の高かったデザインを採用しているというだけあり、タイプのしやすさや画面表示の見やすさは文句なし!

本体自体は小型ですが、キーは大きめで押しやすく、ストロークも絶妙。安定感が高く、グラつくこともありません。また、上下左右にキーの間隔が広く取られている点も見逃せません。

目新しい機能があるわけではありませんが、早打ち、静音キー、税計算、アンサーチェック、チルトなど、必要な機能は漏れなく搭載している印象です。

キヤノン(Canon)
HS-1250WUC
実勢価格:1891円
サイズ/W130×D179.5×H37.5mm
重量/約208g(電池含む)
打ちやすさ
44/50点
見やすさ(画面)
26/30点
タイプ音
5/10点
その他機能
7/10点
総合評価
82/100
Amazonでのレビュー総数が600件以上(2020年6月27日時点)もある人気の高い電卓。公式では実務電卓ではなく「抗菌電卓」というカテゴリに分類されています。

タイプミスを減らすために、場所によって形の違うキーを3種類採用しています。

「億・万・千」の単位を漢字で表示するキヤノン独自の機能。カンマよりわかりやすいかも。

カシオ計算機
DF-120GT
実勢価格:2322円
サイズ/W177.5×D122.5×H32.7mm
重量/約195g
打ちやすさ
45/50点
見やすさ(画面)
20/30点
タイプ音
5/10点
その他機能
10/10点
総合評価
80/100点
2位のキヤノン「HS-1250WUC」は心地よい打鍵感で打ちやすさの評価を高めましたが、3位となったカシオ計算機「DF-120GT」はちょうどよい幅のキーピッチ(キーとキーの間隔)や緩やかながら上下で階段状になっているキーなど、キーの配置が絶妙。早打ちのレスポンスも◎で、それが打ちやすさの高い評価につながりました。

キヤノン(Canon)
HS-1220TUG
実勢価格:1620円
サイズ/W130×D179.5×H37.5mm
重量/208g(電池含む)
打ちやすさ
45/50点
見やすさ(画面)
21/30点
タイプ音
5/10点
その他機能
8/10点
総合評価
79/100点
打ちやすさや画面表示などの性能面は、2位にランクインした「HS-1250WUC」とほぼ同等です。サイズや重量も一緒。2位製品と大きく違うのは、抗菌仕様でない点と、こちらのほうがシックな印象のカラーである点。機能面では、時間計算機能が搭載されている点が異なります(2位製品は本製品にない複数税率対応)。値段もほとんど変わらないので、時間計算機能が不要なら、デザインの好みで選んでOKです。

シャープ(SHARP)
EL-SA72-x
実勢価格:1600
サイズ/約W124×D181×H24mm
重量/約185g(電池含む)
打ちやすさ
38/50点
見やすさ(画面)
25/30点
タイプ音
6/10点
その他機能
9/10点
総合評価
78/100点
テストしたシャープの電卓は1位の製品を除き、キーがかなり軽め。本製品は、とくにその傾向が顕著なうえ、キーピッチが狭いので「近くのキーを押してしまいそうで不安」(鈴木氏)という意見も。ただし、キーは大きく単体で見れば押しやすく「キーピッチが狭いぶん、慣れると早打ちはしやすいのかも」(同氏)とのコメントもあり、使い方によって印象が変わる可能性があります。一方、画面表示は数字が大きく見やすいと高評価でした。8%と10%の税率ボタンがあるので、設定が面倒な人には便利です。

カシオ計算機
JF-200RC
実勢価格:2573円
サイズ/W181.5×D101×H23.4mm
重量/160g
打ちやすさ
35/50点
見やすさ(画面)
24/30点
タイプ音
9/10点
その他機能
6/10点
総合評価
74/100点
高級感のあるシルバーの本体が印象的な一台。スリムなサイズのわりに画面が大きく、適度に角度も付いているので、数字の視認性はハイレベルです。また「まったく音がしないといっても過言ではない」(辻村氏)とプロに言わしめるほど、キーの音が静かなので、静まり返ったオフィスや、緊張感のある会議中などでも使いやすそうです。キーのレスポンスが速く早打ち向きですが、キーは小さめで間隔も狭いので、手が大きな人には不向きかもしれません。「√」ボタンがないのはマイナス。

シチズン・システムズ
DM1240
実勢価格:2180円
サイズ/W197×D140×H27mm
重量/235g
打ちやすさ
36/50点
見やすさ(画面)
21/30点
タイプ音
6/10点
その他機能
10/10点
総合評価
73/100点
本体はかなり大きくキーピッチは広いですが、ボタンのサイズ大きくしたり、柔らかさを調整しているのか、同サイズのほかの機種より打ちやすい印象。早打ちの反応の鈍さは気になるところですが、普段の計算でも頻繁に使いそうな「000」キーを唯一備えているのが推しポイント。ほかにも、計算の確認ができる「CHECK」キーや「AUTO REPLAY」機能、利益を計算するときに便利な「粗利」ボタンなど、独自機能や珍しい機能を備えているので、たくさん機能が欲しいという人ならありです。

カシオ計算機
DS-20WK
実勢価格:6861円
サイズ/W189×D135×H34.8mm
重量/281g
打ちやすさ
33/50点
見やすさ(画面)
19/30点
タイプ音
9/10点
その他機能
6/10点
総合評価
67/100点
カシオが「本格実務電卓」シリーズとして販売している電卓で、5年の長期保証付き。ですが、価格はお高め。故障が心配な人にはいいかもしれませんが、機能面での優位性はさほど感じられません。指にフィットしやすいキー形状でレスポンスも早いので、早打ちには向いていますが、その反面サイズが大きめでキーピッチも広いので、手の大きな人でないと扱いづらい可能性も。タイプ音はかなり静かで高評価でした。

シャープ(SHARP)
EL-S752K
実勢価格:1391円
サイズ/W140×D197×H26.5mm
重量/約238g(電池含む)
打ちやすさ
28.5/50点
見やすさ(画面)
20/30点
タイプ音
9/10点
その他機能
8/10点
総合評価
65.5/100点
Amazonの人気ビジネス電卓ランキングで1位だった(商品購入時点)製品で、サイズとしては「セミデスクトップ」(※シャープが設定しているサイズ分類)なのででかなり大きめです。そのぶんキーピッチがかなり広いので、早打ちの観点では使いづらいかもしれません。また、タッチは軽い……を通り越してふにゃふにゃ。「押せたかどうか判別が難しい」ほどで打鍵感はプロからも不評でしたが、どうやらレスポンス自体はよいらしいです。換算レート機能やアンサーチェック機能を搭載しているのも特徴です。

シャープ(SHARP)
EL-N732K
実勢価格:1630円
サイズ/W112×D185×H25.5mm
重量/約190g(電池含む)
打ちやすさ
27.5/50点
見やすさ(画面)
18/30点
タイプ音
9/10点
その他機能
8/10点
総合評価
62.5/100点
9位の製品をコンパクトにした「ナイスサイズ」(※シャープが設定しているサイズ分類)の電卓。サイズとキー配列が異なる以外は、小数点セレクターの桁数が異なるくらいで、打鍵感や表示の見やすさなどの特徴は同じです。打鍵感はやはりふにゃふにゃ。数字は大きくて見やすいものの、画面がやや白っぽいためか数字がやや薄めに感じられます。少しキーの音は静かですが、9位よりも若干大きく感じるのはサイズのせいでしょうか?
なお、購入した13製品のうち、テストであまりスコアが伸びなかった残りの3製品も紹介しておきます。

アスカ
Asmix
C1233
実勢価格:1320円
キーは硬めで押した感触がしっかり得られ、キーピッチも広いので打ち間違いも少なそう。画面の文字やキーの文字が大きく見やすい……ところまではよかったのですが、大きすぎて打っていると手が疲れることや、早打ちの反応がイマイチな点で評価を下げました。またプラスやイコールといった頻繁に使うキーのタイプ音が、かなり大きいのもマイナスポイントとなりました。

シャープ(SHARP)
EL-N942-x
実勢価格:3546円
経理・事務仕様をうたったモデル。レスポンスがよく、日数計算機能も便利。計算した件数を表示するカウンター機能なども付いているのですが、軽すぎる打鍵感や薄めに見える文字など、9位や10位のシャープ製品に見られた不評だったポイントは本製品も同様。それらに加え、チルト機能がなくより見づらさを感じたり、本体の安定感が低く、タイプ音がやや響く点が影響し、スコアが伸びませんでした。

オーロラジャパン
DT700TXW
実勢価格:980円
シュレッダーやラミネーターなども手がける台湾発のメーカーで、電卓もバリエーションが豊富。本製品は1000円を切る価格ながら、実務に必要な機能がひととおり入っており、利益計算に便利なMU(マークアップ)機能、スイッチによる税率切り替えなど独自の機能も備えています。ただ、ボタンのキーピッチがかなり狭いのにキーが硬く、打ちやすさの評価が伸び悩みました。
以上、ビジネス系電卓ランキングでした。